
thanks to: ROBIN RITOSS for photos, PAJA for Nobu's illustrations
translation: Aiko Shimazu 島津愛子
September 25-28, 2013
((Interviews: Nobunari ODA 織田信成選手, Miki ANDO 安藤美姫選手, Narumi TAKAHASHI/Ryuichi KIHARA 高橋成美/木原龍一組, Cathy REED/Chris REED キャシー・リード/クリス・リード組 (Quotes) ))
Nobunari ODA 織田信成選手
262.98(PB) 1st (SP 1st FS 1st)
SP"Cotton Club" @ 2013 Nebelhorn Trophy
SP
87.34 1st (TES48.87 PCS38.47)
☞ Planned Program Content, Scores 予定構成表 得点表
► 今日の演技について
——よいシーズンの滑り出しになりましたね。
そうですね!まだ得点をちゃんと見てないのでなんとも言えないんですけど、無難に⋯というかミスなく滑れたのはすごく大きいなと思います。一回、夏の大会でショートプログラムを見せた時は、四回転もこけてしまったので、そこが決まってよかったかなと思います。⋯ボロボロになるよりかは、もうめちゃくちゃいい出来だったと思うので、すごくホッとしてます。
——試合前の緊張感
6分間練習の方がすごく緊張していて⋯滑る前はちょっと諦めの境地じゃないですけど(笑)、後はやってきたことを信じてやるのみだと。曲が鳴った時は、練習の いつも通りの感覚になれたので、そこら辺はすごく良い経験ができたかなと思います。
——SP"Cotton Club"について
このプログラムの最大のテーマは『笑顔』なので!何があろうととりあえず笑顔を崩さず⋯一回(振付師の)デイヴィッド(ウィルソンさん)に練習を見てもらった時に、「顔が怖すぎる」と言われたので(笑) やっぱり笑顔って大事なんだなと思って。笑顔で何が伝わるとかはわからないんですけど、とりあえず明るい雰囲気だったりというのを大切にして滑ろうと思っているのが今回のショートプログラムです。
——高得点を出して
いや、もうすごく(よかった)!、⋯点数としては。(演技は)まだまだですけど、自分の中では今回はすごくよかったと思います。でもまだまだ伸ばせるところもあると思うので、コンポーネンツであったりを もっともっとしっかりと、手先足先までしっかり行き届いた演技ができたらいいなと思います。
(今季に懸ける想いは)やっぱり昨シーズン、思うように成績が出なくて、悔しい思いをしたので⋯その悔しさを思いっきりぶつけたいなと思っていて。初戦にしたらまあまあ⋯80点ぐらいは出てくれないかな、くらいでしたが⋯。
► ここまでの調整について
(早い段階での仕上がりに)やっぱり皆さんに期待してもらって応援してもらう、っていうのが一番自分の中で幸せというか。「期待して応援してもらえるように!」と、夏の練習も意気込んでやってきたので、そこら辺が要因かなと思います。
(英語で)「ちょっと体力的に厳しくなってきたので、練習拠点を移らず、今季は日本で練習します。」
► 今季の二人の振付師のプログラム作りの違い(男子SP会見より)
(SPの)デイヴィッド(ウィルソン)先生は、曲を聴いて想ったままに振付をされる、というか、「感情を大切にする」振付師で、(FSの)ローリー(ニコル)先生は、それと同じくらいに点数や繋ぎの部分——「どういうターンを入れてこうして」というのを綿密に計算される振付師かな、と思います。
► お子さんについて(男子SP会見より)
——いつリンクにお子さんを連れて行きますか?
(英語で)上の子は三歳になるので、もうスケートできますね(笑) スケーターになるかどうか分かりませんけど。
——お子さんに、スケートをやってほしいですか?
(英語で)まぁ、そうですね(笑) 本人がやりたくないなら別ですけど。
Nobunari(& his mother/coach Noriko) ODA
@ 2013 Nebelhorn Trophy
► 今大会の目標
とりあえず用意している四回転を、まず全部(SP、FS合わせて)3本決めたい、っていうのが一つあって。まだ3本決めたことがないので、3本飛んで、「飛べるんだ!」って自信を胸にグランプリシリーズに臨めたらいいなと思っています。
(練習での成功率は)うーん、練習だと⋯練習でもあんまりよくないんですけど(笑) でも試合の高揚感とかで飛べちゃうので、それをこう、うまく使って飛べたらいいなと思います。
(英語で)「今大会は、四回転を加点のつく形で決め、PCSを出すことに主眼を置いて取り組んでいます。」
► フリーに向けて
冒頭に(2本)四回転を入れてるのでそれを、四回転を全部決められたらなと思います。その後も、ウィリアムテルの演技をしっかりして⋯点数よりも、自分の自信になるような演技ができればいいかなと思います。
FS
175.64 1st (TES92.08 PCS83.56)
☞ Planned Program Content, Scores 予定構成表 得点表
► 今日の演技について
最終滑走ですごく緊張していて。最初の四回転が、ものすごく不安だったんですけど、うまく行けたので「次も絶対飛んでやろう!」と思ったら⋯2回目でちょっとジャンプをミスってしまったので(4Tの予定が3Tに)。そこら辺が今回の反省点かなと思いました。
——4T-3Tの感触
(GOE +2.00の加点が付いて)すごくよかったです!(朗らかに笑う)自分的にはちょっと⋯なんていうか、ギリギリだと思っていて。緊張していて百パーセントのジャンプじゃなかったと思ったので、そういう評価を得ることができてうれしいです。
——総合で自己ベストを更新して
いや本当に、何年以来の更新というか⋯ここ4年とか、うん。怪我とかいろいろあって、なかなか更新できなかったので、更新できたこともすごくうれしいです。
——大変"乗った"演技に見えたが
そうですね。ステップのところでは やっぱり一番盛り上がるとこですし、(振付師の)ローリーから「振付とかいいから、思いっきり自分を出しなさい!」って練習の時から言われたので(笑)、全部かどうかはわからないんですけど、今日は少しは出せたかなと思います。
FS"William Tell Overture" @ 2013 Nebelhorn Trophy
► 今大会を振り返って
——試合の緊張感と集中について
そうですね。試合に集中⋯はもちろんするんですけど、でも、気持はこう、違うところにあるというか。試合に向けていくというよりも⋯無の状態で。
——「織田完全復活!」の試合にできたか
(自分では)そうでもないんですけど、そういうふうに皆さんに思っていただけるのが自分の中でベストだと思うので。
(怪我で苦しんだシーズンを乗り越え)今までやってきたことは、決して無駄じゃなかったと思いますし、昨日も今日も良い演技ができたかなと思います。期待していただいて、もらった声援を胸に今シーズン頑張りたいです。
► 四回転ジャンプについて
——四回転が安定した要因
先シーズンの反省として、やっぱりどうしても「コンパクトに飛べてない」——自分の中でそういうイメージがあったので。スピードつけてる時もない時も、「なるべくコンパクトに飛べるように」っていうイメージを持って、トレーナーさんと一緒に筋力トレーニングをやってきたので、その成果が少しは出てきたかな、と。
——SP・FS合わせて四回転3本の負担は
大丈夫だと思います。そのようにいつもトレーニングしています。
► 今後に向けて
(今回の出来は)すごく自信になりますし、これからソチに向けて 大きな、自分の中でのステップを上がれたとホント思うので。もっともっとステップアップしていって、ソチオリンピック代表に向けて勢いをつけられればいいかなと思います。
——FS"ウィリアム・テル"の感触
まだ初戦なので、これからもっともっと自分の曲にできたらいいかなと思います。全日本の(アルメニア)合宿に行った時も、もうあの、素晴らしいウイリアム・テルの!ランビエールさんに指導を仰ぐことができたので、そこで教えてもらったことを一つ一つ大切にして自分のプログラムにしていけたらと思います。
——ソチ五輪出場に向けて誰がライバルになるか(男子メダリスト会見より)
(英語で)There are lots of very good skaters in Japan, so every Japanese skater is my rival.(訳)日本には素晴らしいスケーターがたくさんいますので、その皆がライバルです。
FS"William Tell Overture" @ 2013 Nebelhorn Trophy
☞ Result, Judges Scores 結果・採点表
Miki ANDO 安藤美姫選手
162.86 2nd (SP 2nd FS 4th)
SP"My Way" @ 2013 Nebelhorn Trophy
SP
59.79 2nd (TES30.13 PCS29.66)
☞ Component&Element Scores 演技構成点と各エレメンツの得点表
► 今日の演技について
ここオーバーストドルフに来てから、今朝も緊張してなくて、すごくリラックスして良い状態で臨んでいたんですけど、やっぱり、いざ衣装を着てメイクをしてリンクで一人で氷に乗って本番を迎えて⋯本当にどうなるかと思うくらい緊張して。悪い緊張ではないんですけど。
*
まだまだ、人前で滑る状態ではないので、それがすごく⋯「恥ずかしい」気持ちもあったんですけど、2年前を思い出しながら滑って、おっきなミスなく終われて、次のステップにつながる良いスタートが切れたと思います。
*
(オリンピック出場のための)ミニマムポイントも取れたと思うので、明日のフリーでも それをまずクリアしたら、一歩でも⋯半歩でも前に進めると思うので。フリーはちょっと、多分持たないと思うんですけど、正直。でもがんばりたいです。
*
会場入りした時に、「美姫ちゃんおかえり!」っていうバナーがあったので、すごくうれしくて「がんばろう」って思いました。たくさんのファンの方が日本から足を運んで下さって、感謝しています。
*
(演技後の涙は)すっごい緊張してたんで、ほっとした、というか。お客さんもすごくあたたかく見守って下さって⋯(とてもうれしそうに、すこし恥ずかしそうに)「泣いちゃいました」。
*
——SP"My Way"について
まだまだ自分の感情とか出したいものを見せる余裕がないので、今回は本当に「エレメンツのミスなく」という、緊張感の中で今の自分の出来る範囲の演技をして、これからどんどん良くなるかなと思います。
► 今大会までの調整
(試合の10日前に出場の打診があり)以前とは体のコンディションも違いますし、普通に2年前も試合調整までは絶対2週間は必要で、本番前の1週間はゆっくり仕上げる——試合の調整に「3週間」必要だったところ、「10日」で仕上げる、ここまでするのにすごく不安もあって、棄権も考えたんですけど、今回ドイツ連盟の方が、今まで自分のやって来たこと、challengeに対してあたたかい御理解を下さって、(五輪予選も兼ねた)大きな注目が集まる国際試合に出させて頂けたことに、本当に心から感謝しています。
今回はイタリアのヴォルター(リッツォ)先生に頼んで(試合後、今季のコーチ就任を発表)、すごく明るい方で前向きな練習が出来てよかったと思います。
(インタビューの間、リッツォコーチが本当にうれしそうに、連盟の方とガッシリ握手をされていました)
——練習でも好調で、試合に臨まれていましたが
自分自身も「未知の世界」というか⋯骨格も変わっていると思うので、今の自分に合った練習方法を考えながらやっていて、正直ここまでまとめられるとは思ってなかった⋯ただ、「おっきなミスなくSPは終わりたいな」というのは頭にありました。
► フリーに向けて
どうなるか、本当、自分でも分かんないんで⋯でも前半、ミスなくやりたいなと思います。後半は、もう捨てる勢いで(笑)、体力がまだまだだし、滑り込みも出来てないので、「気力でがんばれー」みたいな(笑) 最後まで本当に怪我なく終われるように、明日は集中してやりたいと思います。
w/English-speaking journalists
英語インタビュー
((英語の次に日本語訳が続いています))
(Opportunity knocks to the reporter's door, before the mixed zone interview.)
PP: Welcome back!
Miki: Thank you very much! (smiles)
► on today's performance
This morning practice I wasn't feeling nervous, even I enjoyed this competition, but, when I applied makeup, getting dressed in costume, and after the 6 minutes warm-up, ⋯I recognized "I'm in the competition now!" (everyone smiles)
⋯for me, it's my first competition since 2 seasons ago, so I was feeling really nervous, just shaking⋯ but, you know the audiences were clapping, saying "Gambatte!" in Japanese - means "Good Luck!", they pushed me so well.
Valter(her coach RIZZO) told me "focus on each element, you can manage, because you did it before," that encouraged me to skate into it.
I have so many things to fix - spins, (skating) speed, need to work on everything, and need to skate with emotions - it's not great for now, but, I didn't make any big mistake, that made me feel much better to go forward.
I'm feeling really nice, very happy to come back to my first event at Nebelhorn Trophy, thank you very much for inviting me.
- You looked really happy at the end.
In the end - of course I was feeling like, "now I'm free, I've done!" (everyone smiles)
Worry is my baby's here,
(PP: !?)
(smiles) I take her to my first competition, as a fist trip for her,
(PP: WOW!)
(smiles) that makes me much happier on the ice, getting relaxed. Before I came on the ice, I was thinking about my baby. Yes, she's here, so I just enjoy, do what I have to do this competition.
From Japan, so many people have come here to cheer me, showing "Welcome back (Miki)" banners and Japanese flags, that made me go forward.
And I finished happily without any big mistake.
► about SP "My Way"
This music - my choreographer(N. Bestemianova, I. Bobrin) suggested.
Actually we made this program last year in October.
(For last season) I didn't want to think about anything⋯just wanted to relax, then I was going to find out for the next step. But they picked such great music for me, I didn't choose it at first, but when I decided to come back, listened to this music, "okay, it's my music," I felt so.
I couldn't put emotions yet, as I have to make jumps and everything for now, but if I get motivated enough, I try to put emotions with the music, to make it great program.
► after the birth
PP: You're really really in good shape, now.
Miki: NO! (smiles) not yet.
PP: How did you prepare for this competition?
You know - it's a big try, because my stomach was big! (everyone laughs) so first of all, I had to look skinny! (everyone laughs) for the skaters, you should not look bad (smiles), I have trained so hard - I was back on the ice one month later after the birth, that was really hard, but, you know I've already decided to come back this season. So, off-ice I did try to peak myself as much as I can, but for this competition I hadn't enough time to train, as I figured out I could compete here (only) 10 days ago,
(PP: and also, you had a show,)
I had a show before the flight! (everyone smiles), in Japan - it was fine.
I just⋯I was thinking "I have to do a clean SP," but I don't know for tomorrow (smiles), I cross my fingers. We'll see. (smiles)
((日本語訳 Japanese translation))
(始まる前に↓をお伝えするチャンス到来)
PP: おかえりなさい!
安藤: ありがとうございます!(笑)
► 今日の演技を終えて
今朝の練習では緊張もなく、出場を楽しめてもいたんですけど、でもメイクをして衣装を着て、6分間練習を終わって、「あ、試合に出るんだ!」と分かって。(一同 笑)
⋯自分にとっては2シーズン振りの試合で、本当に緊張していました。震えちゃって⋯でも、お客さんが手拍子をして下さったり、「がんばって」と声援を送って下さったので、それで すごくがんばれました。
ヴォルター先生には「一つ一つのエレメンツに集中して」「出来るよ、だって前にもやってたでしょ。」と言われて、励まされて滑り出しました。
スピンとかスピードとか、修正点はたくさんありますし、感情も今はそこまで出せないので、全ての面でまだまだなんですけど、大きなミスがなかったのですごくよかったです。また前に進めるな、と。
今はすごくうれしいです。このネーベルホルン杯が復帰初戦になって本当によかったです。お招き下さって、どうもありがとうございます。
——演技後には、すごく幸せそうに見えました。
最後は、もちろん「もう自由の身だ、終わった!」って感じで。(一同 笑)
心配なのは、ここに娘がいるので、
(PP: !?)
(笑) 私の初めての試合に連れて来て、それが娘の初めての旅行なんです。
(PP: ワァー!)
(笑) 娘と一緒なので、氷の上でもリラックスして、もっと幸せな気持ちでいられます。滑る前は娘のことを想って。娘がいるから、それだけで充実していますし、今大会でやることをやるだけだな、って。
日本からたくさんの方が応援に来て下さって、「美姫ちゃんおかえり!」っていうバナーや日の丸を振って頂いて、それで後押しされたと思います。
大きなミスなく終われてよかったです。
► SP "My Way"について
"My Way"は、振付師のお二人(ナタリア・ベステミアノワ&イゴール・ボブリン夫妻)が勧めて下さった曲で。プログラムは昨年の10月に作りました。
(昨季は)何かに取り組むというよりもリラックスしたいなと思っていて、次のステップに向けて模索しようとしていたので、当初はこの曲をやろうとは思わなかったんですけど、でも、復帰すると決めた時にあらためて曲を聴いてみて、「よし、これは私らしい曲」と感じて。
今はジャンプとかで手一杯で、まだ感情を込められないんですけど、でも十分にモチベーションが上がって来れば、音楽に気持ちを乗せて、素晴らしいプログラムにしたいです。
► 出産後の練習
PP: 体のキレがすっごく戻ってますね!
安藤: いえ!(笑) まだまだです。
PP: 試合に向けて どのように戻されたのでしょう。
これは、大きな挑戦で、っていうのも、お腹が大きかったので!(一同 笑) まずは、細く見えないと!って。(一同 笑) フィギュアスケート選手は、見た目がよろしくないと(笑) そうやってトレーニングに努めて——出産後1ヶ月で氷に戻ったんですけど、本当に大変でした。でも、「復帰する」と決めたからには、オフアイスでのトレーニングも積んで、出来る限りピークに持ってきたんですけど、今大会に向けての調整は、出場が10日前に分かったので、十分な時間がありませんでした。
(PP: それに、ショーも予定通り出られましたね!)
(今大会の)フライト前に! (一同 笑) 日本のショーで。それは全然大丈夫だったんですけど。
ただ、「ショートをクリーンに滑らなきゃ」って思ってて、明日のフリーはどうなるか分からないんですけど(笑)、祈ってます。どうなるか(笑)
FS"Firebird" @ 2013 Nebelhorn Trophy
FS
103.07 4th (TES48.07 PCS55.00)
☞ Planned Program Content, Scores 予定構成表 得点表
► 今日の演技を終えて
本当に、「練習不足」というのが目に見えて分かってしまった試合だったんですけど、この試合に出場させて頂いたことをうれしく思って、感謝しています。
課題もすごくたくさん見つかって、間のステップ(トランジション)も入れられなかったですし、曲にもすごく遅れてしまって、スピンも全然レベルが取れてないので、本当に練習期間が足りなかったのが悔しいのと、正直、すごくハードな挑戦だったな、と実感しました。
*
夕方の練習からあまり良くなかったところ、6分(間練習)は6分、本番は本番、という風にうまくは切り替えたんじゃないかな、と。その切り替えは自然に。本番はもう「やるしかない」んで、ヴォルター先生にも、「Mikiはリンクに独りじゃなくて、僕もいるからね。」「ひとつひとつのエレメンツをやったら大丈夫」と言って頂いて。
*
体力が持つか持たないか、と言うと、「絶対に持たない」というのは分かっていたので、後半に(2本目の)ルッツのところをサルコウに変更して。(3Sが2Sに)パンクしてしまったんですけど、そういう風に「考えながら滑る」という精神面ではあったと思いますし、良い判断ではあったと思います。すごくボロボロ(の出来)ではなかったので。
*
——FS"火の鳥"について
6分練習で(ジャンプの)軸も歪んでしまって、ボロボロだったので、最後の最後まで不安で、「作品」と言うよりも「ジャンプをがんばって立ってる」という印象を自分でも受けてるんですけど、曲にはすごく引っ張ってもらえたので。今回はすごく漕いでしまって、羽ばたくと言うよりも「(音楽に)引っ張って」もらっていたので、自分が曲を引っ張る、というか、「羽ばたける」ように意識してがんばりたいと思います。
思い入れのある曲ですし、選曲はすごく良かったんじゃないかな、と思います。
► 今大会を振り返って・今後に向けて
日本からも、ヨーロッパからも、たくさんの方が応援して下さって、外国の方からも「welcome back (おかえりなさい)」っていうお手紙も頂いて、本当に心強かったです。他のスケーター達も、「Miki、おかえり」って言ってくれたり。ヴォルター先生にも感謝しています。
*
演技自体、フリーはすごく恥ずかしい演技だったんですけど、「うれしかったです」、試合に久し振りに出て。「(競技が)いいなぁ」と思えて。これから先練習して行けば⋯分からないですけど、「またトップの選手達と戦えるようになる」と思えたので。
怪我なく終われたことに感謝しています。
(競技復帰を果たして)ショーに出て「ショーっていいなぁ」と思ってたんですけど、また試合に出て、この試合の雰囲気とかが「新鮮」⋯って言ったら違うんですけど(笑)、「気持ちよかったです!」緊張はしたんですけど。
他の選手に「おかえり」と声をかけてもらって、「ママなんでしょ?」とか言われながら(笑)、リンクでは選手として一緒に競い合って。
*
ショートを短期間であそこまで仕上げられたというのは すごく自分にもプラスになって、「伸びしろはあるな」と。これから先は、フリーを重点的に。まだまだこの試合では、練習でもフリーを滑り切るのは難しかったですし、体にも負担が大きいと思うので、(パートごとに)区切って少しずつ練習を重ねて行けば、(フリーも)すごく良いものにはなるという手応えはあります。
前向きになれる試合でした。
*
これが今の自分の体力と実力だと思います。練習で飛べていても曲の中で(ジャンプが)入らないので、それを次の試合までにはもうちょっと立て直して、次は2本ルッツを入れられるように、そこまでは持ち直したいなと思います。
まずは怪我をしないことを一番に考えながら、練習量も増やせると思うので。やっと1時間の練習が満足のいく内容で出来るようになって、体調を崩すこともあるんですけど それに(心身を)慣れさせれば、(まっすぐな眼差しで)「また 戦えるようになるのではないかな」と。
*
——ソチ五輪に向けて
毎年なんですけど、オリンピックは「がんばった御褒美」と考えていて、その前に全日本で台には上りたいと思います。「最後の最後のシーズンで、台に上って終わりたいな」と思います⋯けど、まだまだこれでは全然戦えないので。でも、まだ時間はあるし、短期間でここまで出来て、試合に出られて「何が必要か」とか分かって、今後の練習にもつながる試合だったな、と。
(五輪代表の)結果より、「自分の演技」をしたいなと思って。それに対しての結果だ、と。
多分、今回の結果(ショートは3Lzのコンビネーションジャンプ・ステップからの3Lo、2Aとジャンプエレメンツを揃えるが、フリーでは冒頭の3Lzを決めるも「恥ずかしい」という演技に)も、ショートはすごく評価して頂いて、フリーは⋯(にこやかに)「(この結果を受けとめて)ガンバレ」っていうメッセージだと思ってるんで。
強いて言うなら、自分の過去のシーズンベストを越えたいな、と。「『自分への挑戦』を形にする」。
(「最後のシーズンで全日本の台に上りたい」「自己ベストを更新したい」⋯と文字にしてしまうと、安藤選手が実際に話されているのとは印象が違ってしまいますが、そう願う気持ちを大切に、楽しみを持って「大きな挑戦」に臨んでいる姿が本当に晴れやかでした。
担当記者: 島津愛子 Aiko Shimazu)
Medalists メダリスト会見
((英語の次に日本語訳が続いています))
- on "maturing"
When I was 14, it was really easy to do everything such as 3-3, 4S, I was enjoying, didn't think about anything, you know I just "go for it!" Then I had grown up, it was really hard to try a 4S, 3-3 as well. But, I have improved on other aspects in a good way - skating with emotions, as a "woman" - I'm not a kid anymore, (even though) I was really like a kid. (smiles)
- Do you want your daughter to skate?
Well, I love her to skate, because I'm doing figure skating for such a long time, that I can help her to go well in this sport. (everyone laughs)
If she says yes, "I love to skate", I'm really happy to do, but if she has other dreams, such as painting, piano, I respect her life.
((日本語訳 Japanese translation))
——スケーターとしての成長を振り返って
14歳の頃は、なんでも簡単に出来て⋯3-3や四回転サルコウも出来て、楽しくて、なにも考えずに、「行けー!」って感じでしたね。それから大きくなって、四回転サルコウも3-3もほんとに難しくなってきました。でも、他の面で、成長をうまく見せられるようになったと思っています。情感を込めて滑る、「女性」らしく⋯もう子供ではないですし、前はすごく子供っぽかったですけど(笑)
——お子さんにスケートをしてほしいですか?
そうですね、してもらいたいです。と言うのも、自分がこのフィギュアスケート界で長くやって来たので、娘のために うまいことやってあげられるんじゃないかと。(一同 笑)
もし娘が「スケートやりたい」と、そう言うなら、よろこんで助けになろうと思うんですけど、でも他に夢があるなら、例えば絵とかピアノとか、そういう夢があるなら、彼女の人生を尊重したいです。
☞ Result, Judges Scores 結果・採点表
Narumi TAKAHASHI/Ryuichi KIHARA 高橋成美/木原龍一組
129.54 11th (SP 8th FS 13th)
SP"Samson and Delilah" @ 2013 Nebelhorn Trophy
SP
49.42 8th (TES27.39 PCS22.03)
► 今日の演技について
高橋: 前回(ロンバルディアトロフィー)は練習とそれほど変わらない感じで臨めたんですけど、今回は大きな試合で、雰囲気が「ISU(国際大会)!」という感じなので、すごく緊張しました。それでも、いつも以上でもいつも以下でもなく「いつも通り」の演技ができたので、それがよかったなと思います。
——ペアとして2戦目の試合に挑んだ感想
木原: 1試合目ももちろん緊張したんですけど、2試合目にはまた違う緊張がありました。(試合会場に)入ってからの練習はあまり動けなかったんですが、今日、試合本番になったら意外と冷静になれたのがよかったです。
——演技開始前にはどんな話をしたか
木原: 「自分たちの演技をしっかりやろう」ということをいつも言ってます。
——今日の演技は100点満点で何点?
木原: うーーーん⋯(高橋選手に)何点?
高橋: んんー⋯どうだろう。
木原: 可もなく不可もなく。
高橋: (頷く)⋯まあ、よく頑張りました!(笑)
木原: ええ、大きなミスがなかったので! 細かいミスはもう気にしないで。今日無事終わって、本当によかった。
高橋: うん!
——日本からたくさん応援が来ていたが
高橋: それはすごくうれしいです!考えてもなかったので。
木原: そうですね、やっぱり海外の試合には独特の緊張があるんですけど、日本の方々がたくさんいたので、すごく心強かったです。
► ここまでの調整について
——いつも通りの演技ができた要因は
高橋: 毎日曲かけを欠かさずやっていたから。毎日フルで練習しているから、曲が流れると自然に、練習のように体が動いてくれるんじゃないかなって。ジェイソン(コーチ)に聞いてみないとわからないですけど⋯そういうふうに予想しています。
——前大会(ロンバルディアトロフィー)からの成長を感じる点
高橋: 前よりは、ウォームアップのタイミングを自分たちで測って、やり過ぎないように・でも少な過ぎないように、っていう、そういう経験は生かしてきました。
木原: リフト、よくなったね。
高橋: うん!リフトがすごくよかった。先週より居心地がいい。
木原: ここはリンクの縦幅が(先週よりも)あるんですよ。ミラノは縦幅が少し小さかったので、リフトのコースを変えなければいけなかったんです。
——緊張の乗り越え方は
木原: 開き直りですかね。「もういいや!」って。
高橋: アッハッハ!(大ウケ)
木原: 練習の間はすごく緊張していて、何かもうリフトも(回転が)少なくなるし。緊張しすぎて疲れてきたので、もう(緊張は)いいかなって。
► ペアのよいところ
高橋: うーんと⋯何だろうね?
木原: リンクに入った時、一人じゃないってこと。⋯試合前に女の子が横にいるのは珍しい⋯というか新鮮な感じ。(一同 笑) シングルの時にはいないじゃないですか!
高橋: (笑)
——心強いということ?
木原: 一人よりも。
高橋: 心強いです!(力強く肯定)
► フリーに向けて
木原: とにかく枠のことは今は考えずに、明日も今日と同じく、自分たちのできることをしっかりやってくだけだと思います。
高橋: 今日も明日もご飯いっぱい食べて、体力つけて、頑張りたいです!
SP"Samson and Delilah" @ 2013 Nebelhorn Trophy
FS"Les Miserables" @ 2013 Nebelhorn Trophy
FS
80.12 13th (TES38.46 PCS43.66)
(個人戦の五輪出場を逃した後のインタビューにも、非常に落ち着いて答える両選手)
► 今日の演技について
高橋: (個人戦の五輪出場を逃して)本当に悔しいです。特に一個一個のエレメンツより全体が大事なので(ジャンプの失敗に)動揺はなかったんですけど、したくないミスをしてしまったので、そこは点数に関わってきたかなと思います。
木原: 練習通りの演技ができなかった。いつも通りだと思ったんですけど、実際にはそうではなかった。(ペアを始めて)1年未満で(オリンピックに)出ようというのが甘かった。でもオリンピックというものがなくなるわけではないですから、ここからがスタートです。
——氷上に降りた時の勢いがすごかったが
高橋: プログラムが始まる前には心拍数を上げるために、そういう速く滑るやり方でやっているんです。
► 今後に向けて
高橋: 点数を見ると、やってきたことは全部無駄ではないんだなと思えるので、これからの練習をまた頑張っていければ。今年は日本での世界選手権もありますし。
木原: 前の試合でポイント(ミニマムスコア)を取ったので、世界選手権に向けて少しでもいい演技ができるように頑張りたいです。
高橋: これまで通り、モチベーションを高く練習をして。(木原選手とは)一緒に練習していて楽しいし、試合に来られてよかったです。二人で助け合いながら、世界選手権に向けてレベルアップしていけたらいいなと思います。
(「練習を続けていく」という覚悟が決まっていて、決して下を向いていない二人でした。
担当記者: 島津愛子 Aiko Shimazu)
FS"Les Miserables" @ 2013 Nebelhorn Trophy
☞ Result, Judges Scores 結果・採点表
Cathy REED/Chris REED キャシー・リード/クリス・リード組
日本にソチ五輪団体戦出場をもたらした、
FD
Aiko: [リード組FD後 1/4] サーキュラーステップの後 故障箇所をひどく痛めたクリス選手に、キャシー選手が「がんばって!がんばって!」と祈りながらの二人の演技に、妹さんのアリソン選手も「クリス!クリス!」と叫ぶような声援を送っていました。
— Pigeon Post ピジョンポスト (@ppsk8) September 28, 2013
Aiko: [リード組FD後 2/4] 演技後のインタビューには椅子が用意され、キャシーが、「クリスの(右)膝はいつも痛い」「がんばった。(涙)」とクリスの左膝をトントン、と叩いていました。大変だったが、すべて乗り越えて、「本当にAmazingな気持ちです。」
— Pigeon Post ピジョンポスト (@ppsk8) September 28, 2013
Aiko: [リード組FD後 3/4] お姉さんの涙を見ながら、クリスは"「うれしいです」以外の言葉がない"と本当にうれしそう。クリスの右膝は5年前に怪我して、完全に回復しないまま故障を抱えている状態。「皆さんの支えがなければ、成し得なかった。」「『奇跡』みたいです。」
— Pigeon Post ピジョンポスト (@ppsk8) September 28, 2013
Aiko: [リード組FD後 4/4]「さらに上を目指すため、クリスのコンディションを見ながら、限られた練習時間を有効的に使う。(キャシー)」何度も何度も、クリスの担当医の方・コーチ・ファンの皆さん、周りの方全ての支援に感謝の言葉を繰り返していたキャシーとクリスでした。
— Pigeon Post ピジョンポスト (@ppsk8) September 28, 2013
☞ Result, Judges Scores 結果・採点表