+++ 2013 4CC四大陸選手権 Hiroshi NAGAKUBO 長久保裕コーチ 鈴木明子選手 インタビュー mixed zone/press conference interviews +++

* 今大会の演技を終えて *

- フリーの演技後にはどんな言葉をかけられましたか?

長久保: 今年になって国体ひとつやって、その時に「もう何となく、悪い膿を全部出したいね」っていう話をしながら国体に挑んで、や、ほんとに(笑)ひどかったんで、「今回はよかったね」っていう言葉をかけました。

(鈴木選手自身が)少し自信を持ってきたのかな、っていう気持ちはあります。

はっきり言うと(世界選手権まで)あと1ヶ月でまたどうなるか分かんないんですけど、まぁ、今回をステップにして、もっと上に登れるように頑張りたいと。

* 今大会での収穫 *

長久保: 収穫っていうのは、「(フリー)後半のジャンプをきっちり滑り切った」っていうのが。

先シーズンから(フリー後半のミスが)こうずーっと続いてた感じで、NHK杯の時にたまたまうまくいった。今回はちょっと頭のジャンプにひとつミスがありましたけど、とりあえず「ひとつのミスでもって終わらすことが出来るようになった」っていうのが、彼女自身のひとつ強くなった部分かなと思ってます。

今回はね、「ミスのカバー」っていうことをなんにも言わないで、とにかく「プログラム通り」という。あのー…要するに「ミスを引きずらない」っていうことがすごく大切だと思うんで、彼女はひとつミスすると何かこう、連鎖でもって引きずってるんで。今回それがなかったのが一番の収穫かなと思ってます。

 

 

* 精神面でのサポート *

長久保: どうなんですかね、あのー…「精神面」っていうのは僕…がこうタッチできる部分じゃないんですが。

彼女自身がとにかく、こう、上を望んではいるんですけど、その「望むのに力だけが入ってる状態」がずーっと続いてたんで、その力を抜かせるのにすごい苦労しました。ふっ(笑)

言葉でこう、うまく…ま、私が滅多に使わない「甘い言葉」を一生懸命。(記者 笑)「大丈夫できるよ、大丈夫できるよ」っていうことをずいぶん言ってましたね。

やはり練習の中に余裕がないといけないんで、追い詰めるようなことは全然言わずに、ほんとに今回ちょっと僕自身が「甘かったな」っていうくらい甘かったと思います。

 

 

* ソチオリンピックに向けての計画 *

長久保: とにかく若手がすんごく出て来るんで。私のところにもやはり目標にしてる人間がいるんで、それに負けないだけの「体力」—シーズン突入する前にしっかり体だけは鍛えて、それからシーズンに入りたいな、っていうのは一応。まだ世界選手権が終わらないとスケジュールが立てられないんですけど、僕自身の頭の中ではそのように考えてます。

 

 

* 鈴木明子選手インタビュー 長久保コーチとの歩み *

 

☞ 冬季国体インタビュー「自分が想っている目標」と「今の自分の現状」とが合ってきていない。でも、「今は焦らずにやることが一番大事」。/ 来季の「大きなチャレンジ」のために

 

 

::: SP後 :::

 

鈴木: 悩んでいた時は、ジャンプひとつひとつに対して「どこを注意したらいいんだろう」と考えながらずっとプログラム中もやってしまっていて、そこでもう、どんどん気持ちが焦ってつながらなかったんですけれども、今日はほんとに—「氷の上に乗ったら、自分の体が覚えていることすべてを『自由にやっても出来るようになっている』んだから」とコーチに言われて、「技術的に注意するべきところは『ひとつだけ』頭に入れて、あとは自分が滑りたいようにのびのびと、好きに滑りなさい」という風に言われたので、そこを信じて「感覚」で滑って。

 

- 全日本から四大陸までの練習

鈴木: この1ヶ月間は、技術面4割精神面6割っていうような練習だったんじゃないかな、と。ものすごく…「濃い」1ヶ月で、すごく先生とよく対話をした1ヶ月だったなぁという風に思いますし、(ソチオリンピックまで)あと「1年」というところを見据えて、いろいろと先生と話し合ったことがすごく大きかったので、気持ちの面でも変わりましたし、全日本の頃よりは、自分のスケートとも先生とも向き合って練習が出来ているなという風に思います。それがまたつながったんじゃないかなと思うので、これからも素直に練習します。

 

 

::: FS後 :::

(☞ FS後/メダリスト会見記事 で掲載済)

 

- 「切り替え」について

鈴木: 練習の時から、コーチからプレッシャーを…例えばミスをしたらすぐに「次だぞ」とかそういうことを言われて練習をしているので、とにかく、【ミスが続いていかない、切り替える】というところを、「今はじゃあ、どういう気持ちでやったからミスが2個も続いちゃったの?」「じゃあ、どこが悪かったと思うの?」とすぐに話し合って。そこでコーチと意見が一致すれば、直そうとしていることが正しいから、「じゃあ次もう一回やってみなさい」と。

そういうことを、繰り返し繰り返しやっていくことによって、「そこは別に今悪くなかったよ」という部分もありますし、「あ、じゃあ、次はここを注意してみれば」と、ほんっとに細かいことなんですけれども、気をつけていって。

あとはその…「もう試合になったら、注意すべきところも もちろん必要だけれども、今は体が自由に動くようになってるんだからそこは信じなさい」と言われましたし、「ひとつのミスで自分の気持ちがギュッと萎縮しないように」。

ずっとその不安が大きくて萎縮して、どんどんどんどんプログラムの後半が硬くなっていったので、そういったところをやって来たことが、今回こういった形でミスをしたことによってこういう風につながった、っていうのは良いのか悪いのか分からないですけれども、ただ、自分の中でやって来たことがこうやって少しずつ形になってきて、ほんとに「自分の気持ちとの戦い」だったんですけれども、すごく「抜け出せたかな」という風に思います。

 

- 長久保コーチから、今大会前の調整では「甘い言葉をかけていた」とお伺いしましたが。

鈴木: 「甘い」って、言い方はちょっと変ですけどー、(一同 笑) 誤解を受けそうな。そこは訂正しておきますけど!(笑)、やはり、「大人になると」っていうのもおかしいんですけど(笑)、年齢が上になってくると、私自身も自立して、スケーターとして自分でなんとかしなくちゃいけない、といった気持ちが強かったので、だからコーチにこう、不安があったり苦しい時に、なかなかそれを取り繕って…なかなか素直に、「今こういうところが不安なんだ」っていうところをなかなか言えなかったんですけれども、それが素直に言えることによって、「じゃあ、これをどうしていかなきゃいけないか」っていうところを頼れるように、だから、「先生にもっと頼ってほしい」って言われて。

ちっちゃい時は、「先生ー、もう怖いんだけど、緊張してるんだけど」って言えたのが、だんだんこう…(笑) 大人になると言えなくなるのが、「大人になるってやだな」(笑) ってすごい思いました。(一同 笑)

* 鈴木明子選手 SP演技後 コメント *

- ガッツポーズも出ていましたね。

鈴木: 「演技が良かったから」というよりも、これまでの過程があったから…「ようやく出来たな」って思いました。

(明日のフリーに向けては) ここもやっぱり「切り替え」だと思うので、今日が良かったから明日、というよりも「明日は明日」で、フリーで 今まで練習してきたものに対してどういう風に持っていくかだと思うので、あのー、ま、ガッツポーズはしましたけど(笑)、またこれを持ち越す、ではなくて、良くも悪くも「また明日」だと考えたいと思います。

(長久保コーチからは) ジャンプは良かったけど、スピン(FCSp)で注意してきたことが出来てなかったよ、とすぐにダメ出しがあったので、まだまだ…ステップもレベル3でしたし、伸ばしていくところはたくさんあると思います。

☞ 2013 4CC in Osaka, JAPAN 四大陸選手権 イベントリポート Event Reports

☞ 長久保裕コーチ・鈴木明子選手のインタビューアーカイブ Pigeon Post Events & Interviews Archive

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