Daisuke TAKAHASHI & Tatsuki MACHIDA Interviews at Kansai University Olympic launch party
@ Kansai University in Senriyama 関西大学千里山キャンパス
photos: Pigeon Post 記者チーム
January 8, 2014 in Osaka
Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔選手
► 壇上スピーチ「ソチオリンピックへの抱負」
DT: 皆さんこんばんはー、
関大生: こんばんはー!
DT: 高橋大輔です。本日は、このような壮行会を開催して頂き、本当にありがとうございます!
応援して下さった皆様には、全日本では大分⋯ヒヤヒヤ(苦笑)、
関大生: (笑)
DT: (笑) ヒヤヒヤさせてしまったと思うんですけれども、こうやってソチオリンピックへのチャンスを頂き、町田君と、関西大学そして日本代表としてソチオリンピックへ向かえることを光栄に思います。
僕自身、27(歳)になってオリンピックに出ているとは正直思ってなかったので、びっくりしていますし、ほんとにうれしいと思ってます。でも、あー、ちょっと緊張して(笑)、
関大生: (笑)
DT: ちょっと緊張してきてるんですけども。
こうして27歳まで続けて来られたのも、たくさんの方々が応援して下さったおかげだと思いますし、皆様の支えがあったからだと感じています。
今回、僕自身最後のオリンピックになると思います。スケート人生最後の演技を、最高の演技にしたいと思います。そして、関西大学、日本に、メダル⋯金メダル?(笑)
関大生: (笑)
DT: 金メダルを!(笑) ⋯というものを、持って帰って来れたらな、と思っています!
これから2ヶ月ちょっと、自分に厳しく生活していって、オリンピックでは最高の演技をすることを約束します!
関大生: (盛大な拍手)
DT: なかなかうまくは行かなかったんですけども、こうやっていろいろな経験をしてきて、ほんとに自分自身幸せだなぁと思ってます。
今回オリンピックでは、ほんとに頑張ってきたいと思いますんで、この場にいる皆さんもそうですけれども、たくさんの方々と一緒に戦っていきたいと思いますんで、是非とも応援よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
関大生: (拍手)
► 今回の関大壮行会について
DT: これまでは、友達や後輩がいる中での壮行会だったんですけど、今回、大学生はスケート部の仲間以外はほとんどすれ違うこともないですし、ほとんど知らない学生達がこうやって集まってくれて、会場もあったかい雰囲気で。「こんなに若い子達も応援してくれてるんだな」というのを感じられたのがうれしくて。今までで一番うれしいというか、今までになかった壮行会だったかな、と感じました。
► 大学院後輩の織田信成さん
——引退されてから、何か話されましたか?
DT: あの引退発表の後は「(高橋選手)お疲れ〜」「(織田選手)ありがとう〜」という。
(関大に)帰って来てからは、彼も今まで通り普通にまだ練習してて⋯すごく調子も良くて。「⋯やべえなー」みたいな。「ヘコむな〜」って!(一同 笑)
普段はゆっくり話す時間がないんですけど、お互い、僕も引退したらゆっくり話せると思います。
►日本の練習環境の問題
——募金活動に取り組まれていた「臨海スポーツセンター」の向こう12年間の存続が決まりました。
DT: (12年は)結構長い期間だと思うので、うれしく思いますけど。これからが⋯スケート界にとっても、このオリンピックが転機になってくれると思うので。環境をどうやって整えるかっていうのはスケーターにとって大きなテーマなんじゃないかと思いますけど。
臨海は今でも滑らせて頂きますし、関西でもほんとにリンクが少なくなってきて、リンクがなかった時の大切な場所だったので⋯僕っていうよりもスケーターにとって大切な場所です。
► 怪我をしてから全日本選手権までの心境
DT: 「やる!」って決めてから、今思えば無心だったな、って⋯「ほんとにやり切れたのか」というところではやっぱりクエスチョンが残りますけど、でも、自分の中では精一杯やったつもりですし、良い時もあるし悪い時もある。
僕自身あと1ヶ月、覚悟を持ってやるつもりではいるんで、今何が起きても、後悔のないようにしていくだけかな、という気持ちですね。
前回(バンクーバー五輪の代表争い)は、(右膝)前十字(靭帯断裂)で怪我して「もう出来ない」とリセットして⋯ゆっくりのスタートだったので、ああいう切羽詰まった段階での怪我、というのは今まで経験したことがなかった⋯正直しんどい(怪我をしてから全日本までの)1ヶ月だったかな、と思います⋯けど、それも今後の自分にとって良い経験になったかなと思うので。⋯「でもなんでこの時期に」っていうのありますけど。(笑い飛ばす様子) それも、良く変えるのも悪くするのも自分自身ですし。結果として「良い経験だったな」と思えるように。
► ソチオリンピックに向けて
——五輪までの調整
DT: (年末年始は)スケートはちょっと休んで、トレーニングをしていました。
(怪我の回復は)少しずつ、順調に。(五輪本番までに)治るとは思ってます。時間かかるかな、と思ってたけど、結構順調にきてます。(回復程度は)80%位まできています。
一回プログラムの手直しをして、それから一度も行けてなかったんで、オリンピックが決まったら(手直しに)行こうと思って。いつになるかはまだ決まってないんですけど。
——バンクーバー五輪から3シーズンを経て
DT: 3年前は、あんまり思い描いてなくて——「自分がどれだけ成長できるか」とか⋯ 思ったより成長できてないかもしれないです(苦笑)
でも、スケートはジャンプだけではないですし、他の部分では、ま、少しは3年前に比べたら成長できたかな、と。やっぱりジャンプがまだ追いついてないんですけど、それ以外は成長できてるんじゃないかと。
——ソチ五輪に懸ける気持ち
DT: 今回は⋯あまり言葉で表現するのは⋯なんかそういうのは⋯ もちろん、楽しめたらと思うんですけど、そこが一番じゃない、というか。もちろん、楽しまないと良いものは出来ないんですけどね、それ以上に、「覚悟を持って」という表現が一番しっくりくるんですけど。3回目が一番重たいオリンピックだと思うので、それは重く捉えて、そういった意味で、なかなか言葉にするのは難しいです。⋯「特別な(オリンピック)」。
——五輪初出場の羽生選手町田選手へのアドバイスは?
DT: いや(笑)、(アドバイスが)ない位、彼らは精神的にも技術的にも(力が)ありますし、場数も踏んできてるので、むしろ彼らのパワーに乗っかっていくつもりでいるんで(笑)
Tatsuki MACHIDA 町田樹選手
► 壇上スピーチ「ソチオリンピックへの抱負」
TM: 皆さんこんばんはー、
関大生: こんばんはー!
TM: 今日は僕達のためにこのような盛大な壮行会を開いて下さって、本当にありがとうございます。
関大生: (拍手)
TM: 昨年1年間、僕はソチオリンピック(代表候補)の「第六の男」と評され(笑)、
関大生: (笑)
TM: (笑) 国内試合、グランプリシリーズ、全日本と激動でしたが、東奔西走した甲斐あり、そして皆様のあたたかい応援、御支援のおかげさまで、幸いにもソチオリンピックの出場権を得ることが出来ました。
僕はまだオリンピックという舞台を経験したことがないだけに、いまだに夢のようで、実感がわいてこないのですが、オリンピックという自分にとっての『未知なるフロンティア』に足を踏み入れても動揺しないように、1日1日大切に精進していきたいと思います。
また、当然のことながら、フィギュアスケート以外の競技のトップアスリートも世界中からソチに集結します。そんな「オリンピック」というものは「またとない学びの場」だと、僕は確信しています。
今回のオリンピックは、僕にとって一世一代の大舞台です。このチャンスをしっかりとモノに出来るよう、頑張っていきたいと思います。
最近、幸いにもメディアや公の場で喋らせて頂く機会があるのですが、いつも「話が長い」と、
浪速の関大生: (大笑)
TM: (笑) ⋯あとは、ソチで演技を通して、身体表現を通して語っていきたいです。皆様応援よろしくお願いします。
関大生: (拍手)
► 年末年始
TM: 全日本の後は、ほとんど西にいて、今までお世話になった方に御挨拶したりとか、実家に帰りました。(五輪代表決定に至るまで)本当に過酷だったので、去年が。だから全部シャットダウンして、ゆっくり過ごしました。(1月2日に氷上練習開始) (初詣のおみくじは?) 引きましたよ。(何が出ましたか?) 吉でした。(一同 笑) いいこと書いてありましたよ、忘れちゃいましたけど。(どこの神社で?) 賀茂神社(鳥取県倉吉市)。毎年そこに行くんです。► 関西大学生として
——代表決定後、高橋選手と何か話されましたか?
TM: 特には⋯もう(代表に)決まってすぐショー(メダリストオンアイス)があって、忙しいまま別れたので。でも、もう(オリンピックを)3回も経験されてますから、しっかり彼から学ばせて頂いて、動揺しないようにとか、ソチでいろいろ学びながら。幸運にも、1週間強一緒に過ごさせて頂くので、貴重な学びにしたいです。
——「関西大学」の特徴
TM: ⋯いち学生ですから偉そうには言えないんですけど⋯University、ちょっと綴りは違いますけど"city"みたいな、巨大な規模の大学で、伝統もありますし。いろいろお世話になっている方々もいて、サポートして下さって⋯恩返しの意味でも、あと1年位で僕は卒業しますし、最後に大きなお礼が出来ればと思っています。
► 現在の練習拠点の臨海スポーツセンターの存続について
——向こう12年間の存続が決まったそうです。
TM: マジですか!?本当に、心から感謝です。今、ありがたいことに「ソチ五輪おめでとう 高橋大輔・町田樹」と2人の垂れ幕があるんですけど、それを毎日見ながら練習していて、うれしくて。しっかり頑張らなきゃな、と思います。僕だけじゃなくて、高橋選手も練習していたリンクなので。今、将来有望なスケーターもたくさん育ってきていますし、存続が決まるということはうれしいです。
(期限付き、ということに関して)臨海に限ったことじゃないと思うんですけど、そういうリンク閉鎖の危機があるたびに、自分のホームだろうが、ホームじゃなかろうが、自分の出来ることをするのが日本のスケーターの義務だと僕は思いますし、日本に限らず全国のリンクを繋ぐことに貢献できたらなと思います。
► ソチオリンピックに向けて
——本番のイメージは出来ていますか?
TM: グランプリファイナルで(同じ会場で)滑ってますけど、オリンピックって会場設営とか、試合運びが違いますし⋯滑っているのは想像できるんですけど!どのような生活をしているか、例えば(2月)2日に行くと、自分のシングルの試合まで1週間以上ある。その間どういうところに滞在して、どういう風な練習をして、どういう生活が待っているんだとか、そういう意味で『未知なるフロンティア』だと思っています。
(大会期間中に試合の間隔が空いて)その辺も得体が知れないような、一つの要因というか。グランプリシリーズは2日前に入って練習して、とか分かるんですけど、今回はそういうわけにはいかないので。まったく経験したことがないような大会なので、そういう意味ではちょっと恐怖心はあります。でも、やるしかないんで。そういう、新しいところに行っても動揺しないようにしっかり準備していくことが、僕が尽くせる『人事』なので。
——これからの調整について
やはり(全日本までは)試合が続いたというのもあって、フリーで最後の方、勢いが失速してしまいがちだったので。オリンピックの舞台は、本当に僕は最初で最後でしょうから、悔いがないように⋯ショートもフリーも最後まで気持ちよく滑れるように、しっかり準備していけたらと思います。それをするにはやはり技を決めなければいけないし、いろいろやるべきことはあります。
ただ、オリンピックだから特別にこれをするとか⋯「秘策がある!」とかそういうわけではなくて。今までやってきた基礎を、もう一回。いつもやっていることを「淡々と」、オリンピックのメダルを狙いながら「虎視眈々と」、ソチで自分が滑っている姿をイメージしながらしっかり準備したいです。
——メダルへの意欲
TM: もちろん、メダルを獲りに真剣に行きますし、うまく行ければ、僕は取れると思っています。
(メダルへの条件は)ミスがあった時点でメダルはないでしょうから、しっかり自分がやることはやって。しっかりやれば、可能性はあると思います。
——本番での「飛翔」はどのようなイメージですか?
TM: ソチのリンクは青が基調とされている、素敵なリンクでして⋯僕は火の鳥で、赤で。火の鳥がきれいな青い空を、ぐんぐん、ぐんぐん高みへ飛翔していく様を描けると思います。ソチ五輪の舞台は、僕の火の鳥にとって最高の舞台だと思うので、最大限に飛翔させたいです。(取材時間一杯となった後、にっこりと最後に一声)⋯もちろんショートも(飛翔)!