Backstage with Japan Skates @ 2011 "Eastern Section" 東日本選手権
Japan Skates sent our reporter to "All-Japan" National Championships qualifier.
thanks to: Maiko from Keio University Skating Club
text by AIKO SHIMAZU 島津愛子
November 3-6 in Yamanashi, 2011

☞ in English


Mixed Zone Interviews


村上大介選手

男子1位 214.74 (SP1/FS1)

シーズン初戦のオンドレイ・ネペラ・メモリアルで優勝してから臨んだGPSアメリカ大会で、自分の武器だと思っている四回転(サルコウ)が、ショートでは入ったのですが、フリーでミスがあったので、このHigashi(東日本)で2回決められたことがうれしいです。

——全日本に向けて
皆と競い合って⋯「負けない!」⋯ように、がんばっていきたいと思います!

——ファンの皆さんへ
今季は、波のある結果となっているのですが、seasonの最後まで、「一緒に!」、がんばっていきたいと思います!


中村健人選手

男子2位 195.58 (SP2/FS2)

——今季からフリーの構成に入れている四回転について
四回転を構成に入れないでやるのと、入れてやるのでは、練習でも違いますし、試合ではもっと違いました。同世代がもう、皆四回転をやって高い点数を出すような時代になっているので、「四回転をやらないといけない」という反面、「それ以外も強くしていかないといけない」と言いますか⋯ 「四回転を失敗しても、その後続けられるか」ということが問われてきます。その点では、今回は守れたかな、と⋯ 最低限のところは。ただやっぱり、今日は、気負いすぎてしまったので、少しもったいなかったかな、と。少なくとも回転にはつなげたかったです。(三回転のダウングレード判定) 練習では降りてはいるのですが、まだ確率がよくないので、全日本までの1ヶ月ちょっとで、仕上げていきたいです。

——目標としているパトリック・チャンのスケーティングについて
一番尊敬しているのは、姿勢です。複雑なステップをやっても、上体が保たれているので、より、動きがキレイに見えます。僕は、ステップで体をカクッと折ってしまうような場面も、自分でビデオを見ると見受けられるので、上半身の見せ方は大事なんじゃないかな、と思います。

ファンの皆さんへのビデオメッセージ
☞ Kento Nakamura @ Meiji Jingu Gaien on September 4, 2011

ロングインタビュー:
☞ Japan's Depth #4 Kento NAKAMURA: A Coming Up Rose of Japan


佐々木彰生選手

男子3位 173.29 (SP3/FS3)

——昨季から構成に入れている3Aについて
昨季は、3Aに関しては「挑戦」という位置付けでやっていた面もありますが、今季はもう、降りられないジャンプじゃないので。もちろん、「勝負」して。関東サマートロフィー(8月)では、ショートで降りて、フリーでも一応降りたので。本番では、あまり入ってないですけど(笑)、もう、「降りられないジャンプ」じゃないです。フィンランディア、東インカレ、この東日本とやってきましたが、失敗につながる箇所は同じで、6分間練習では、もちろん降りているので。体力が足りないわけでもないですし、あとは、落ち着きとか気持ちの面だと思っています。

——エンターテイナーなステップについて
皆さん、「踊ってる!」とか「うまい!」とおっしゃって下さって、評価を頂いているのですが、自分でビデオを見ると、やっぱりまだ、「⋯粗いな。」と。そういう風に思っていたので、今季は、"滑るところは滑る・踊るところは踊る・クイックなところはクイック"と、いろんな面を、ひとつのステップ・ひとつのプログラムで見せたいな、と思っていて、フリーのストレートラインとコレオステップで、テイストを変えていますし、ストレートラインの中でも、真ん中で区切って、変化させています。だから⋯ 「ひとつの、ガチャガチャ(笑)したステップしか出来ない」って思われないように!(笑) 違う一面も見せたいな、と思います。

——ファンの皆さんへ
いつも、応援して下さって、演技で盛り上がって下さって、滑っている自分も、皆さんに勇気づけられて、自分も盛り上がっているので、本当に感謝しています!勝負は全日本なので、その全日本で、一番盛り上げられるように!がんばって練習していきます!


今井遥選手

女子1位 150.28 (SP1/FS1)

——アメリカでの練習の成果
6月に、振付で有香さん(佐藤有香コーチ)に習ってから、ずっと教えてもらいたいな、と思っていました。自分では全然分からないのですが、皆さんから、「スケーティングがすごく良くなったよ!」と言われて。点数でも、すごく評価して頂けるようになったので。そこが、一番良くなったところかな、と。(右足甲の疲労骨折のため)ジャンプを練習出来ない時期(8月)があったので、そのときに、「ジャンプが出来ない分、他のことを磨こう!」と思って、ずーっとスケーティングばっかりやっていて、エッジを倒したり⋯ ステップで転んだりもしていたのですが、有香さんに付いて教えて頂いたりして、徐々に徐々に出来るようになって。私は、流れで、スパッとやっちゃうんですよ(笑) だから、有香さんには、「もっとしっかり、丁寧に!」と言われています。有香さんが、すごく綺麗なスケーティングを目の前で見せて下さるので、それを見よう見まねでやると、うまく出来たりして、すごく分かりやすいです!
それから、アリッサ・シズニー選手と一緒に練習をしていて、ある日、リンクが停電したことがあって。その時、アリッサだけは練習を続けて、スピンをしていたので、「⋯私も一緒に練習しよう!」と思って、一緒にスピンを回ってたんです。そうしたら、ちょっとコツをつかめて、それから、なぜか、スピンが良くなりました(笑) ドーナツスピンからのビールマンスピン(キャメルスピン)が得意で、一番好きなんですけど、スピンのルールとして、2回ビールマンを入れられないので、レベルを取るためにも、競技ではドーナツからのビールマンを見せられないことが残念です。

——今季のFS"My Fair Lady"について
最初は、静かなパートから始まって、「綺麗にやろう!」と思っていて、その後、曲調がガラッと変わって、「たのしいかんじに!」と。たのしい曲でたのしい振付なので、踊っていて、音楽にぴったり合ったりすると、試合中でもたのしくって。昨季は、ジャンプだけで必死だったのですが、今季は、"音に合わせる"とか、そういうことも意識しています。 (ステップについて:) 難しくて、体力的にもつらくて。全体的に速いステップなので、そのスピードに乗せて、上手く正確にターンを踏まないといけません。

——ジャンプについて
これまでは、公式練習で、ジャンプを抜いて通しをすることはなかったのですが、今大会はとにかく⋯ 怪我を悪化させないことが目的だったので。(中国杯の)有香さんにも、「とにかく、無理しないで!」と言われていて⋯ こちらでお世話になっている久美子先生にも、「練習だから、ジャンプは本番にとっておいて。」と言われました。それで、ジャンプのイメージだけで通しをやりました。 (3-3について:) 3Lz/3F/3Lo-3Tを構成に入れることを目指して練習しています。怪我さえ良くなれば、3Tが付くように⋯ 今は、単発のジャンプをキレイに決められるように、とがんばっています。

——将来の夢
私は、「プロスケーター」、アイスショーに出るのが夢です。初めて海外に行った試合のJGPSで、まさかの優勝で、エキシビションを用意していなかったので、人の曲を借りて、自分でテキトー(笑)に、雰囲気で滑って。でもその時、初めて、真っ暗な中、スポットライトを浴びて滑って、お客さん、ベラルーシの方々も、手拍子して下さって。もう、ほんっとに!たのしかったので。その時に、「将来、プロスケーターになって、こういうショーに出たいな!」と思いました。

——ファンの皆さんへ
いつも、こころのこもったお手紙を下さって⋯ 落ち込んだときとか、あまり良くなかったときに、そのお手紙を読んでいると、すごく励みになって、「これからもがんばろう!」と思えるので、いつも感謝しています。いつも、応援ありがとうございます!


高山睦美選手

女子2位 124.43 (SP4/FS2)

まだまだ課題はたくさん残っているので、あと1ヶ月、全日本に向けてがんばりたいです。

——課題について
プログラムの中でのジャンプの確率ですとか、最後のほうにジャンプがなかなか決まらないので。体力不足です。

——フリーで2本決めた、得意のルッツについて
一番得意なのですが⋯ プログラムの中で決めていきたいです。

——プログラムについて
ショートもフリーも、最初のパートに時間をかけて作ったので、そこが自分では気に入っています。特にフリー("Amelie")は、自分に合っているな、と思っています。

——全日本に向けて
とにかく、プログラムの曲をたくさんかけて、曲に慣れて、その中でエレメンツをこなせるようにしたいです。去年は、初めて、ショートで落ちて、フリーに進めなかったので、リベンジしたいです。 (全日本選手権とは?:) 「自分の実力を試す場所」です。


女子3位の西野友毬選手の取材音声がなく、お届け出来ませんでしたことをお詫び申し上げます。


庄司理紗選手

ジュニア女子1位 153.37 (SP1/FS1)

優勝出来たことはうれしかったのですが、最終的な結果よりも、内容的に、自分の課題としていたことが出来たので、そこがよかったです。

——今大会の課題について
ジャンプの入りを修正していたので、成功するか失敗するかは別として、それを課題にしていました。

——プログラムについて
ショートは、初めてのジャンル(ジャズ)で、疲れてきた頃に、パキパキ動くのが大変ですが、昨季とはまた違った庄司理紗を見せられたら、と思っています。大人っぽくて、「生意気」というか⋯ "粋"なかんじの女性を演じたいな、と。フリー("Legends of the Fall")は、綺麗で⋯ やはり昨季とは違った雰囲気を出したいな、と思っていて、切ないかんじ、というか⋯ そういうものも出していきたいです。

——全日本ジュニアに向けて
今回と同じように、ジャンプの入りを注意してやろうと思っています。ジャンプ以外にも、試合で緊張して出来なくなってしまう部分を、練習通り、試合で出せるようにしていきたいです。

——JGPFに向けて
最終的な結果はあまり気にしていません。去年は、緊張して、自分でダメにしてしまった部分が多かったので、今年は、悔いの残らないように、内容に気をつけてやりたいです。

——今シーズンの抱負
昨季はジュニア1年目で、なにが起こるか、まったく分からない状態でやっていたのですが、今季は2年目なので、すこし慣れてきたと思います。昨季の経験を活かして、昨季よりも、さらに精神的に強くなれるようなシーズンに出来たらいいな、と思っています。毎試合、すごく緊張してしまうタイプで、最終的に自信がなくなってしまって、飛べたかもしれないジャンプを失敗してしまうので、そういう面を克服して、ミスをなくしていきたいです。


鈴木春奈選手

ジュニア女子2位 138.53 (SP2/FS2)

去年の東日本では、ショート1位という初めての結果で、動揺してしまって、悔しい思いをしたんですけど、今年は、結果に構わず、自分の演技が出来るように、集中してがんばりました!先生(佐藤信夫・久美子コーチ)からは、「お客さんの顔を見て、演技が伝わるように、気持ちが伝わるように」と言われました。

——今季から挑戦している3Lz3Fについて
自分でも、昨季からこんなに変わるとは思いませんでした!3Lz3Fを入れても、他のことにも集中して出来るようにしなきゃいけないな!と思います。確率を上げるためにも、構成に入れて、課題として取り組んでいます。

——プログラムについて
ショート("Ole Guapa")は、ステップの顔の表現!を見せられたら、と。初めて、自分から、「強い曲に挑戦してみたい!」ということで、一生懸命、がんばってやります!フリー("Autumn from The Four Seasons")は、ゆっくりな曲に合わせて、自分の体もそう動けるように!表現力も出せるように、がんばってやります!

——初出場のJGPの感想
皆がすごすぎて、「⋯ここにいていいのかなぁ?」ってもぅー(笑)、びっくりしたんですけど。2回目の国際試合だったので、ここまで、「世界のジュニアがすごい!」とは思わなくて⋯ 皆に追いつこう!と思います。 (帰って来て、自信がつきましたか?:) つきましたねー。すごく変わりました!あの選手の、あの技やってみよう、とか⋯ 新技も出来ました(笑)

——全日本ジュニアに向けて
今日はフリーにミスがあったので、そのミスをなくせるように、挑みたいと思います!まず、自分に勝てるように努力することと、自分の演技に集中することを目標にしています。次に向かって、表現力を高めていきたいと思います。


全日本ジュニア(11月25-27日)女子では、西日本ジュニア1位のSatoko MIYAHARA 宮原知子選手が優勝(総合172.17 !!)、同2位のKako TOMOTAKI 友滝佳子選手が準優勝(153.42)、庄司選手は3位(151.69)、鈴木選手は4位(150.92)。カナダのJGP(12月8-11日)に出場した庄司選手は6位(134.35)、クロアチアの Golden Spin of Zagreb(12月8-11日)に出場した鈴木選手は2位(148.30)でした。


☞ 全日本ジュニア選手権 結果・採点表


その他の注目選手


女子では、前年全日本6位のYuki NISHINO 西野友毬選手(SP3位/FS3位)は、ジャンプの調整が遅れている様子でしたが、存在感を見せ総合3位(119.19)に入りました。東京ブロック大会1位のKanade HASEGAWA 長谷川奏選手(SP2位/FS4位)は、ショートで3T-3T(GOE+0.84)を決めるも、ステップからの3Loで回転不足を取られての転倒、レイバックスピンがレベル1で技術点(TES)が伸びず、フリーではスピードに乗った演技でガッツポーズも出ましたが、総合117.66の4位で、表彰台にわずかに届きませんでした。また、東京ブロック大会・東日本選手権にエントリーしなかったNana TAKEDA 武田奈也選手が、競技からの引退を発表しました。奈也さんは、コーチを目指して、これからも、フィギュアスケートに携わって行かれるそうです。

男子・東京ブロック大会1位の Takuya KONDOH 近藤琢哉選手 (SP4位/FS8位/総合6位)は、東日本学生氷上選手権(「東インカレ」10月22-23日)の約1週間前に左足薬指を骨折し、怪我を押して出場した試合では構成を控え、日本学生氷上選手権(「インカレ」来年1月開催)の出場権を獲得。以後、今東日本に向けて、怪我の具合を見ながらの調整が続きました。今大会では、「トゥループジャンプ以外はほとんど痛みを感じない」までに回復し、今現在は、「全く痛まなくなった」とのこと。慶應大学のクラブの方から、「全日本には、本調子で臨めそうです。」との、うれしいお言葉を頂戴しました!

☞ 近藤琢哉選手ロングインタビュー [Japan's Depth #1 A Funky Monk of the Sports & the Arts]


また、今大会の1ヶ月後(12月3-4日)にドイツで開催されたNRW Trophyでは、西野選手が女子2位(159.90)、友滝選手が女子3位(158.97)、中村選手が男子3位(196.18)、西日本男子1位のTakahito MURA 無良崇人選手が男子4位(192.81)に入りました。

☞ NRW Trophy 結果・採点表


村主章枝選手


今シーズンの初戦、絞った体で現れた村主選手。ショートの6分間練習では、何度もジャンプを試していましたが、いずれもタイミングが合わないまま、昨季からのプログラム"Adagio"の演技。ジャンプがすべて決まらず、スピン・ステップでも取りこぼし、11位に。フリーの6分間練習では、主に2Aを確認していました。ダブルでまとめた新FS"Adios Nonino"の構成でしたが、その2Aで転倒。他のエレメンツも振るわず、総合12位となり、17年連続となるはずだった、全日本選手権出場を逃しました。スケート靴の問題により右足首を痛め、終始、状態を確認するように滑っている段階での東日本出場。エレメンツに苦しむ村主選手でしたが、全盛期のスピードこそないものの、スケーティングの姿勢がよくなり、見守る観客や選手達からは、あたたかい拍手で応援されていました。

☞ 章枝さんのメッセージ 12月7日, 2011 on sugurifumie.jp



☞ 東日本選手権 結果・採点表

☞ 西日本選手権 結果・採点表