Backstage with Japan Skates @ 2012 World Team Trophy|キャプテン会見
Japan Skates sent our reporters to "WTT" 世界国別対抗戦 in Tokyo.
thanks to: ROBIN RITOSS & JAPAN SPORTS for their splendid photos, PAJA for her sincere illustrations
translation: AIKO SHIMAZU 島津愛子
April 19-22 in Tokyo, 2012

Chris REED クリス・リード, Cathy REED キャシー・リード, Mervin TRAN マーヴィン・トラン, Narumi TAKAHASHI 高橋成美, Akiko SUZUKI 鈴木明子,Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔, Kanako MURAKAMI 村上佳菜子, Takahiko KOZUKA 小塚崇彦 © Robin Ritoss


☞ in English


高橋大輔選手 チャーリー・ホワイト選手(アメリカ) ナタリー・ペシャラ選手(フランス) スコット・モイア選手(カナダ)


Day 1


Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔 © Robin Ritoss
Daisuke TAKAHASHI (Team JAPAN Captain)
@ 2012 WTT

高橋大輔主将 1st ranked team after Day 1

個人の事じゃないので、(試合後の見解を出すのも)ちょっと難しいんですけれども⋯ 前半日本は4位スタート、だったんですけど、女子が終わる頃に1位になったということで、若干驚きで、ホントにこの団体戦というのはまったく読めないな、という。やっぱり、僕たちもペアだったりアイスダンスに詳しくないので、どういう風になるかとか読めないですし、そういう面でこう、やっててすごくおもしろいなっていう感じがしました。今日出たチームのメンバーは精一杯がんばってくれていたと思います。でもまだ明日があるので明日に向けて、そこは気合いを入れ直して、1位から下がらないようにがんばりたいと思います。

——明日の試合とキス&クライの余興について、キャプテンの展望
アイスダンスは、クリスの方が足(右足首の怪我)が結構大変、というか痛い中ですごくがんばってくれていて、あまり無理をしてもらいたくないので、あまりがんばりすぎないように、この試合ってものを楽しんでってもらいたいなと思います。
ペア(高橋・トラン組)は今回世界選手権で初めてメダルを獲ったということでホントに、すごく戦力的にも強みだと思っていて、自分自身かなり期待しているので、是非がんばってもらいたいなと思います。
あとは男子、なんですけれども、僕はちょっとフリーはあまり得意じゃないので、気合いをかなり入れて、ホントに気持ちで行かなければいけないなと思っているので、皆を引っ張っていけるように、100%の演技をしたいと思います。崇彦(小塚選手)も、そういう風に思ってると思います!
⋯キスクラのパフォーマンスは、やっぱりフランスのパフォーマンスがすごかったり、イタリアもすごくて、ちょっと日本負けてるなーって思ってるんですけど、なかなかちょっとシャイなので、(笑) 何も考えつかないです。まあ、キスクラ⋯即興のパフォーマンスより演技をがんばってやりたいと思います。


Charlie WHITE チャーリー・ホワイト © Robin Ritoss
Charlie WHITE (Team USA Captain) @ 2012 WTT

チャーリー・ホワイト主将 2nd ranked team after Day 1

日本とトップタイにつけた、ということでよかったと思います。今日はアメリカチームとして全体的に内容が良く、すばらしかったです!今大会は世界選手権後の開催で調整が難しい中、皆がんばって、精一杯心から滑っていましたね。
皆さん、グレイシー・ゴールド、御覧頂けましたでしょうか?今季、まだシニアの試合にも出ていない子が、こういうすごい大会に出て来て、素敵な女性を演じ切りました!脱帽です!本当にすばらしいです!
この混戦の中、最終的な結果が出るまで先は長いですが、現時点で特に、チームとしてこれ以上の戦略というものは考えていません。

——世界選手権後に臨んだ今大会のデイヴィス/ホワイト組のSDの演技について
Meryl(デイヴィス選手)と僕の演技については⋯ なかなか、お答えするのも難しいですね、横で「よしよし」と頷いてくれるメリルがいないと(笑) でも、僕らは1試合1試合、一歩ずつうまくなれば、と思っています。世界選手権では「最高」と言えるような演技をしたのですが、それは「これ以上ない演技」というわけではありませんので、世界選手権後も練習に努めていました。ワールド2位、ということで、ここでもう一回(1位になる)チャンスがある、それを掴みたいとも思っています。明日もこの調子で、出来る限り、練習みたいに出来るようにがんばりたいです。

——キス&クライでの日本の観客に向けてのメッセージについて
今大会のアメリカのチームリーダーの方のアイディアです。素晴らしい方で、アメリカ代表にふさわしい、いろんな案を出して下さって。団結心の鑑みたいな人で、チーム戦に臨む心構えも教えて頂いています。メッセージの主旨は、「日本の皆さんを応援する」という気持ちを表したものです。自分達を今大会に迎えて下さって、このようなすばらしい機会を与えて下さって感謝しています。

——明日に向けて
明日は、ペアのCaydeeとJohn(デニー・コフリン組)がやってくれると思います。今季はずっと、毎試合調整万全で来ているので。彼らのこれまでの戦いぶりを見て、とてもうれしく思っています。ショートうまく行きますように!僕らのFDですが、ここまでいいかんじでシーズンを来ているので、このままの勢いでがんばりたいです。男子は、ツワモノです。Adam(リッポン選手)とJeremy(アボット選手)はすごいスケーターですから。彼らが順当に滑ってくれたら、アメリカチームの勝利に貢献してくれると思います。僕らは今大会の優勝を目指していますので。さらなるチームワークとチームの和を築いていこうと思っています。自分達らしく明日もこの調子で、もうちょっと本意気に、「仲間を応援している」っていう気持ちを前面に出していきたいです。


Nathalie PECHALAT ナタリー・ペシャラ © Robin Ritoss
Nathalie PECHALAT (Team FRANCE Captain)
@ 2012 WTT

ナタリー・ペシャラ主将 3rd ranked team after Day 1

今日は長丁場でした。一日中、チームの皆の応援でリンクにいましたので。でも、最後に3位になってうれしい驚きです。予想していませんでした!今大会は、とにかく楽しくやろう、ということで臨んでいましたので。ただ言えることは、どのチームもいい選手を揃えているので、今後の展開が読めませんね。盛り上がってまいりました!これからもこの調子で、特に応援席でベストを出したいです。

——キス&クライでの衣装の仕込みについて
準備する時間がなかったものですから、即席なんですけれども。昨日、「しまった!やる気満々なのに・衣装が全然ない!」って気づいて、皆で買い物に行って手当たり次第に物色しました(笑) でも、衣装というものは全体の印象の20%で、残りは演技次第、気持ちの問題ですからね(笑)

——明日に向けて
フランスのスケート連盟の会長が、フランスの勝利を願ってはるばる来られていますので、皆励みになっております。プレッシャーなんてありえません!(笑) Fabian(ブルザ選手)と私は、これまでの調子で、今季をいい笑顔で終われたらいいな、と思っています。Florian(アモディオ選手)とBrian(ジュベール選手)、DariaとBruno(ポポワ・マソット組)は、もう信頼していますので。がんばってくれると思っています。私は、もっと応援をがんばりたいです。フランスチーム全体としては、もっと声を張って、ガヤを大きく、もっと弾けたかんじで応援したいです。皆にはそれだけお願いしたいな、と思っています。自分が先陣を切って弾けたいと思います。


「うれしいなー、(アイスダンスのホワイト選手ペシャラ選手との上位3選手の会見が)ありえないからうれしい」と二人との集合写真に収まる高橋選手。


Nathalie PECHALAT ナタリー・ペシャラ Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔 Charlie WHITE チャーリー・ホワイト © Japan Sports
Nathalie, Daisuke, Charlie @ 2012 WTT


Day 2


Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔主将 (JPN) 1st ranked team after Day 2

今日は自分の試合があったので、ダンスとペアを見ることが出来なかったんですけれども、暫定1位ということで、今日は日本チームの皆が頑張ってくれたんだろう、とうれしく思っております。


Charlie WHITE チャーリー・ホワイト主将 (USA) 2nd ranked team after Day 2

今日はアメリカチームにはいい日だったと思います。
ペアもフリーに向けていい位置につけましたし、大接戦になりそうですね。
Meryl(デイヴィス選手)と僕は今日はもうなにか降りて来て、間違いなく、人生最高の演技でした!御声援でそのように導いて下さった、日本のフィギュアスケートファンの皆さんに感謝いたします。皆さんの応援は大変ありがたいものです!僕ら皆にとっても。アメリカチームを代表し皆さんに御礼をお伝えします!ありがとうございます!
男子は、Jeremy(アボット選手)もAdam(リッポン選手)ももっともっといい演技がしたかったでしょうけれども、こういった局面での試合というのは、そう簡単ではなかったはずです。ここで戦ってくれた二人を心から称えたいと思います。すべてうまく行ったわけではなかったと思いますが、彼ららしさはすごく光っていて、精一杯心から滑っていました。今大会に出場したことは、来季に向けての力になると思います。
今のところ日本が優勝に向かって⋯ 独走状態!(笑) ですけれども、前向きに!明日のペアと女子でちょっとずつ差を詰めるかんじでがんばりたいです。明日は出来る限りがんばって・あとは神頼み!——といった、ちょっとしたコンビネーションを予定しています(笑)


Nathalie PECHALAT ナタリー・ペシャラ主将 (FRA) 3rd ranked team after Day 2

フランスチームキャプテンとして、今日は最高の一日でした。フランスチームの演技もそうなのですが、この御両人の演技、Daisuke(高橋選手)とCharlie(デイヴィス/ホワイト組)の演技も、もちろん素敵でした!今大会はすばらしいです。こういった心境でシーズンを終えられることを、本当にうれしく思います。
Fabian(ブルザ選手)と私については、最高でした!ニースの世界選手権でもすごくよかったと思いますが、日本のお客さんはもう、弾けて下さって!他の試合でも、皆さんにこういった形で演技を楽しんで頂けると、フィギュアスケートがもっとおもしろくなるんじゃないかな、と思います。WTTの主催者の日本の方々に改めて感謝申し上げます。


——高橋選手とホワイト選手は、「世界選手権2位」という結果を受けて今回の1位につながったのでしょうか?という質問に
高橋: (ホワイト選手の「お先にどうぞ」というジェスチャーを受け) (笑) 今回はチームが勝てばいいなというつもりで、自分の演技をしようと思ったので。世界選手権で悔しい気持ちもあったんですけど、それは自分の中ではあまり考えずに。自分のシーズン最後のパーフェクトな演技を目指そうと思って⋯ でも、ちょっとしたそういう気持ちはあったのかもしれない、知らないうちに。そういう風に自分は感じないですけど、あったのかもしれないです。
ホワイト: (「"知らないうちに unconsciously"勝ちたかったのかもしれない」という高橋選手の言葉を受けて) um⋯ I, "consciously"! (僕は⋯"意図的に"!)(笑) 今大会、勝ちに行きました。世界選手権は、すごくいい演技で、まさに「こんな演技がしたかった」という演技が出来ました。でも、順位としては、狙ったものではありませんでした。ですから、ここでもう一度ショートフリーと滑ることになり、すばらしい機会を頂いたと思っていました。これは願ってもないチャンスで⋯ もちろん、世界選手権ではないのですが、この短期間のうちに自分達の力をもう一度お見せしたい、という思いがありました。順位も挽回しましたし、まだまだトップの実力があるということをお見せしたと思います。今大会の演技は本当に素晴らしかったです!
もちろん、チームとして、僕らデイヴィス/ホワイトがこれまでで一番うまくやった、というのはよろこばしいことですが、SDでは、疲れもあり弱含みの前半になりました。そこで応援席に目をやると、いろんなスケーター達が応援してくれていて。皆にすごく励まされて、チームの皆のためにがんばろう!と思いました。
そういった訳で、今大会の意義は2つあったと思います。ひとつは、アメリカを代表してチームに貢献する、ということと、もうひとつは、世界選手権後にもう一度力を発揮する、ということです。大変有意義な大会でした。

——ペシャラ選手は、フランスが3位であることに今日も驚かれていますか?
ペシャラ: そう、正直、昨日は驚いていましたけれども、今日は戦略があったので。「いないいない・バァ!」みたいな(笑) そういう訳でまだ3位です。「サプライズ3位」とか⋯そうおっしゃらず。フランスだって強くて、よいチームです!(笑) 1番じゃないけど、3番ですからね!(笑)
明日に向けては、この調子で楽しみながらやりたいです。選手の誰にも、ストレスを感じてほしくないので。これが最後の試合ですし、皆には「(どうなっても)大丈夫だから!」と伝えています。皆を信じてるし、自分の演技をしてね、って。自分の演技が出来なくても、気にしなくていいからね、キス&クライで盛り上げるから!と。明日はもっと創意工夫して、もっとおもしろいことをやりたいと思います。どうぞおたのしみに!

(この間ブライアン・ジュベール選手が記者会見場へ入って来て、現場もサプライズ。時折微笑みながら、最後まで後ろで会見を見学するジュベール選手)

——高橋選手とホワイト選手はこれで競技が終わり、キャプテンとしての役目に専念できると思いますが、衣装やメイクで一枚上のフランスチームの応援に追いつく秘策はありますか?
高橋: えーっと、難しいですね(苦笑) 明日はホントに応援に専念しますし、やっぱりその⋯応援というところでは、日本がちょっと負けてるかなというのが否めないんで、⋯何をしたらいいかなと思いますけど、今日の夜、この後帰ってゆっくり考えたいと思います。でも僕も今日の演技中、日本のチームの皆が見えた時、すごくパワーをもらったので、応援席からとりあえずパワーだけは送りたいなと思います。
ホワイト: そう、僕ら、かなり差をつけられていますよ、フランスとイタリアに⋯
ペシャラ: またまた〜 (会場 笑)
ホワイト: まぁ、そういうことで⋯ 追いつくにはどうするか、って言うと、よくぞ聞いて下さいました。もっと創意工夫しないと、ですね。今のところ、自分としてはもう一回FDをやる位の意気込みで、赤白青の服+星(=星条旗)も用意して、花火も仕込みますかね!(笑) でも、ぼや騒ぎとかは避けたいところです(笑) あと、組体操も出来るし。⋯組体操、日本でウケるのでしょうか?(笑) 自分の競技は終わったので、明日はもっと応援に腰を入れられると思います。もちろん、個々がベストの演技を出来るように、ということに配慮して、なんでもがんばってやりたいです。チームワークはそうやって生まれると思います。

——ペシャラ/ブルザ組のキス&クライではミイラ装束、ジュベール選手のキス&クライではサングラスの小道具でマトリックスごっこ、といった仕込みの利いたフランスチームの応援ですが、これはどなたの演出なのでしょうか?
ペシャラ: チームワークに懸けるのは、自分達にとって最重要課題なんです。ばかみたいですけど、私たちが今大会の「一番」を目指す、というのは、「チームワーク賞(Team Spirit Trophy)」を獲ることなんです!そのためにもう、一生懸命やっています!楽しむことが一番、というのがフランス人ですからね!(笑)
演出に関しては、ごはん食べに行く時、ああでもないこうでもないと議論しています。それぞれのプログラムに応じてテーマを持たせて、チーム全体にも色を出して。でも、「ミイラ装束」についてはFabian(ブルザ選手)も私も全然聞いてなかったです。6分間練習でミイラ達を見つけて、「なにやってんの?」って(笑) 皆、思ってたよりばかで素敵です(笑) 明日もこの調子でがんばります。「マトリックス」は、おなじみなかんじで、あんまり有名じゃないピアノ曲の仕込みより随分ベタでしたけどね。
こういった創意工夫が、フィギュアスケートの素敵なところです。ひとつのプログラムを作るのも、今回のようなチームメイトの応援の演出も、創意工夫という面ではまったく同じです。


Nathalie PECHALAT ナタリー・ペシャラ Fabian BOURZAT ファビアン・ブルザ © Robin Ritoss
PECHALAT/BOURZAT
2011-12FD"Mummy and Pharaoh" @ 2012 WTT

Team FRANCE © Paja
PECHALAT/BOURZAT FD Kiss&Cry @ 2012 WTT


Brian JOUBERT © Robin Ritoss
Brian JOUBERT
2011-12FS"The Matrix" @ 2012 WTT

Team FRANCE © Paja
Brian JOUBERT FS Kiss&Cry @ 2012 WTT


Day 3


Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔主将 (JPN) ISU World Team Trophy Champions

——WTTを終えて キャプテンとしての総括
ちゃんとリーダーの役割を果たせたのかどうかちょっと定かではないんですけれども、キャプテンというポジションで自分の演技や他の選手の演技を追っていましたが、ホントにまったく、チームの順位がどうなるか読めなかったので、そういった中での戦いはすごく自分にとって楽しい気分でした。


Charlie WHITE チャーリー・ホワイト主将 (USA) ISU World Team Trophy silver medalists

——WTTを終えて キャプテンとしての総括
チームアメリカは2位に終わってしまいましたが、2回目の優勝を目指してがんばりました。今大会は、全選手、すっごくがんばったと思います!それぞれ奮闘していましたし、らしさも出ていました。今大会は難しい局面でしたが、その中で皆根性を決めて、カテゴリーの垣根を越えて、互いを励ましながら支え合っていたと思います。そこに大きな意味があります。僕らは、本当に、チームワークを活かしていたと思います。皆を応援して、滑っているスケーターも笑顔で。それはすばらしい体験で、そういった面ですごく楽しめました。
前向きに!僕らはもう来季に向かっておりますが、日本チームの皆さんに敬意を表明いたします。今大会の皆さん、最高でした!ホームのプレッシャーの中、皆が力を合わせていてすごく感動しました。なかなかお目にかかれないような場面に立ち会えて、本当にすばらしい気分です。優勝おめでとうございます!


Scott MOIR スコット・モイア主将 (CAN) ISU World Team Trophy bronze medalists

——WTTを終えて キャプテンとしての総括
チームカナダとしては、すこし好不調の波がある一週間でした。トップ選手達は、合格、みたいな演技で、若手の選手達は素晴らしい演技をしました。とても良かったと思います。その若手の活躍がチームへの刺激となって、3位となる原動力にもなりました。初日の段階では、果たして表彰台に上れるのかな、という感じでした。アメリカと日本の優勝争いになるんだろうな、と見ていましたので、最終日に3位に滑り込もう、という形で模索していました。ペアと女子がすばらしかったので、ここまで戦えたと思います。
他の選手達がチームのためにすばらしい演技を披露して来季に向かって手応えを掴む姿を目にする、というのはとてもよいことだと思います。そのように選手同士が刺激をし合って、大会は盛り上がって行きます。
2009年のWTTにも僕は出ていましたが、WTTは、オリンピックのチーム戦とは大分様子が違うと思います。オリンピックでは、アメリカと日本に追いついて対等に戦えるように出来れば、と思っています。けれども、アメリカ・日本に追随するには準備が必要です。

——カナダの得点源は、アイスダンス(ヴァーチュー・モイア組)と男子(パトリック・チャン選手)の得点、と見ていましたが、そうは成らず、ペアと女子の得点がこの3位という結果につながりましたね。
正直、ペアと女子が終わって最終順位を目にした時にはすこし驚いていました。初日は結構得点を稼いだ、と思っていて、そういう風に、自分達は得点を積み重ねて行って、そんなに失うということはなかったので、このような結果になったと思います。それが得点制だと思います。今日、ペアと女子がすごくがんばってくれたおかげで表彰台にも上ることが出来て、皆驚いています。ただ、昨日と初日に関しては、すこし運がなかったな、と。


——オリンピックのチーム戦とはもちろん状況が違うと思いますが、今大会を経て、オリンピックのチーム戦での戦略や戦い方が見えましたでしょうか?
モイア: ⋯「皆がクリーンに滑ること」でしょうか? (会場 笑)
高橋: ごもっともだと思うんですけど(笑) 個々の能力を上げていくことが一番有力な戦略になるんじゃないかな、という風に思いますね。でも、チーム戦というのが、どういう試合の持って行き方になるのか、今はまだ全く想像できないので、どうなるか分からないですけど、実際やってみて、自分が滑ってる時に「ひとりじゃないな」ということを感じられました。そういった面で、チーム戦をもしやるとなった時には、心強く、あんまりプレッシャーを感じずに出来るんではないかな、と思います。
ホワイト: オリンピックでは、試合としては全く違う様相になるのではないでしょうか。応援席で他の国の選手の演技にも喝采を送る、というのもイメージしにくいですし、「オリンピック」ということで、自分の国の選手の演技に集中するのではないでしょうか。⋯良いような悪いような⋯でも、今大会のように楽しいことには変わりありませんね!(笑) ただ、自分達の演技に備えて力を蓄えておきたい、ということもありますし⋯ 同時に、チームとして団結する、ということも踏まえないといけません。通常は自分自身の演技に使う力を、部分的にチームメイトの応援に回す、という。一心同体で戦う、と。それは、通常の試合とは多いに異なる面で、このWTTでまさに学んでいるところです。チームの皆を応援すればするほど、「皆のためならなんだって出来る!」という気持ちになり、自分の力を出し切れると思います。そうしてまた、皆がその気持ちに同じように応えてくれるのではないでしょうか。
モイア: とにかく皆クリーンに滑らないと、ですね。それは至難の業なんですけれども。今大会はいい勉強になりました。ファンの皆さんには、チーム戦はすごくおもしろいと思います。やる僕らも、それを踏まえて臨みたいです。今大会、チームカナダが下位の方から追い上げて、最後の最後で3位になって、やった!と思いました!日本が独走と思いきや、残念ながら実力を発揮できなかった日本人選手も出て、そこへアメリカが最後に詰めて行って。チーム戦の勝負の機微というものは繊細だな、ということが分かりました。同時に、出来る限り得点を稼ぐ、ということの重要性も学びました。カテゴリー内でひとつでも順位を下げてしまうと、得点では大きな差となります。特に、メダル争いをしているチーム同士の選手の戦いにおいては、そう言えます。


Scott MOIR スコット・モイア Daisuke TAKAHASHI 高橋大輔 Charlie WHITE チャーリー・ホワイト © Japan Sports
Scott, Daisuke, Charlie @ 2012 WTT


Team FRANCE © Paja
Team FRANCE - Team Spirit Trophy Winner
@ 2012 WTT


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