thanks to: ROBIN RITOSS for splendid photos, NORAYA ノラヤ (NAHO YAMAMOTO) for our "beloved" green pigeon
text by: TAKAFUMI たかふみ
November 22, 2015
Evgenia MEDVEDEVA @ 2015 Cup of Russia
氷上、オフアイス問わず、様々な場面で芯の強さと内面の豊かさを見せてくれるメドヴェージェワ選手。プログラムに秘められた想いを中心に、ISUグランプリシリーズ・ロシア杯終了後、お話しいただきました。
► 応援であればプレッシャーにはなりません。恐がったりすることはありません。
——ロシア杯では、ホームの大声援がプレッシャーにはなりませんでしたか?
大変だとは言えないと思います。それは皆同じで、向き合わなければならないことです。会場の方々の大声援をとても嬉しく思いました。応援であればプレッシャーにはなりません。応援に多すぎるということはありません。
——今大会の演技についてお聞かせください。
ショートは満足のいかないところもあります。転倒がありましたし(3フリップ+3トゥループの3フリップで転倒するが、続く3ループで3トゥループをつけコンビネーションにする)。めったに転倒することはないのですが⋯練習ではいつもうまくいっています。おそらく精神的なミスでしょう。
——恐怖心などでしょうか?
恐がったりすることはありません。落ち着いてなかったのかもしれません。ステップでも細かいミスがありましたし。
(3ループでコンビネーションにできたのは)練習でやってきた通りだったので。コーチとも、連続にならなかった時にどうするかというのは話し合っていました。
フリーは、自分に打ち克って、集中してクリーンな演技ができて、満足しています。
エキシビションは、とてもいい気持ちで臨めました。SNSや個人的に多くのお祝いの言葉をいただいていて、こんなにもたくさんの方々が応援してくださっている、とわかりました。今日はそのような方々のために、新しいプログラムを滑りました。喜ばれるといいなと思いました。
——今季はシニア転向のシーズンとなっていますが、どのような準備をされましたか?
より大人っぽく見えるように、滑りとか、立ち居振る舞い、振付などに力をいれました。それは今でも変わりません。
——グランプリファイナルやロシア選手権に向けての取り組みについてお願いします。
よりクリーンに、一つ一つの要素に気を配っていきたいです。躓いて立ち止まらないためには、すべてを完璧にやらなければなりません。
(今後の目標は)練習して自分のできることをやり切り、世界選手権や欧州選手権に行きたいです。もちろん、ファイナルでも素晴らしい演技を目指しています。(グランプリファイナル開催地の)バルセロナは好きな街です。もう3回ほど行ったことがあります。どこもかしこも綺麗で、好きな街です。サグラダ・ファミリアとか観光名所にも行きました。
——今回はどこに行きましょう?
リンクですね(笑)
——ロシア女子の強さについてはどう思われていますか?
「ロシア女子は世界で一番強い」とよく耳にします。鍛錬されていて向上心があるというのは、ロシア人の気質だと思います。強い個性を持つ女子スケーターも多いです。
► 15-16シーズン|プログラム自己紹介
【SP"映画『Melodies of a White Night』より" 振付:アレクサンドル・ズーリン】
SPについては、日本の皆さんに気に入っていただけると思います。音楽自体が、日本人ピアニストとロシア人男性の愛の物語を描いた映画のサウンドトラックなので。演技では、誰もが愛し合えるという「友愛」を伝えています。そして、いつも相手を思いやり理解し合うことも表しています。
SP"Melodies of the White Night"
@ 2015 Cup of Russia
【FS"愛が世界を救う" 振付:イリヤ・アベルブフ、イーゴリ・ストレルキン】
耳の不自由な振付師の方(イーゴリ・ストレルキンさん)とプログラム作りをして、演目の最後に手話を入れました。手話がうまくできているかわからないし、それが耳の不自由な方々に通じているかもわからないですけれど、とてもオリジナリティのあるものになったと思います。このような試みの前例は聞いたことがありません。アイディアにも満足していますし、プログラム自体も好きです。振付師の皆さん、コーチたちに感謝したいです。
——手話のフレーズは?
ええと、すごく複雑で、思い出さないと⋯「あなたの声は聞こえない。鳥肌が走る。あなたを心で感じるために、私はあなたを恐れないし、心を開く」です。
演技では、「世界には、愛、相互理解、助け合いがあるべきだ」ということを伝えようとしています。どんな言葉で話すのか、どんな民族なのかは関係ありません。私たちはこのプログラムのタイトルを"愛が世界を救う"にしました。実際、その通りです。
——それはご自身のアイディアなのでしょうか?
(振付師の)イリヤ・アベルブフさんのアイディアです。
——大変素晴らしいと思います。
ありがとうございます。こういったプログラム作りをしてくださったことが、すごく嬉しいです。作品性も最高です。このような作品は、今までに思い浮かんだこともありません。このプログラムを滑れて、彼の生き方や考えを形にできてよかったです。改めて自分のやるべきことができて嬉しいですし、プログラム自体も本当に気に入っています。
FS"愛が世界を救う" @ 2015 Cup of Russia
► なりたい自分:「ファンの皆さんに、あたたかく優しく接していきたい」
(理想の選手は)誰かを選ぶことはできません。どの選手にも長所と短所がありますし、それぞれに素晴らしい選手です。
音楽や振付、衣装に関してはコーチたちに全幅の信頼を置いています。私を客観的に見ていて、どんなプログラムが合うかをよくわかっています。毎年曲を選びますが、長い時間をかけます。何かを選んでも「やはり合わない」ということもあります。完成まで、本当にゆっくりと進みます。なので「どんな音楽をやりたい」というのも特にありません。
オフアイスでは、これからも、ファンの皆さんと写真を撮ったりお話をしたり、あたたかく優しく接していきたいと思います。
——日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
☞ Evgenia MEDVEDEVA エフゲーニャ・メドヴェージェワ選手 @ Cup of Russia ロシア杯 on November 22, 2015