
photos: Pigeon Post 記者チーム
August 9-10, 2015
► 今大会を振り返って
今シーズン初めての試合で少し不安な部分もあって、ジャンプもフリーでは少し転倒もあったり、自分が一番出来る時よりは半分くらいの力しか出せなかったところもあるんですけど、でも、シーズンに向けてまたたくさん課題が見つかったので、すごく良い試合だったなっていう風に思います。
► 15-16シーズン|プログラム自己紹介
SP"Incartation(シルク・ドゥ・ソレイユ『Quidam』より)" 振付:鈴木明子
最初振り付けてもらった時に、自分が今までプログラムに組み込んでいなかったような踊りだったり、そういうのがあったのですごく難しくて。「不思議な踊りをカッコ良く見せる」っていう風にあっこさんも言ってて、でもそこは結構難しくて、最初はすごい練習したんですけど。でも、すごく新鮮で楽しいです。
——鈴木明子さんはシルク・ドゥ・ソレイユの別の演目で滑っていましたね。
あっこさんの『o(オー)』、自分もあのプログラムがすごい好きで、すごいカッコイイなと思ってて、自分もシルク・ドゥ・ソレイユの曲も使ってみたいなっていう風に思っていました。まさか自分が使う時にあっこさんが振付してくれるとは思ってなかったので、自分の好きなシルク・ドゥ・ソレイユの曲を踊ってた人にシルク・ドゥ・ソレイユで振付をしてもらうっていうのはすごくうれしいことだなと思います。
(メイクは)初めてアイスショー(ドリームオンアイス)でやった時に、「シルク・ドゥ・ソレイユみたいなメイクをしよう」ということになってKOSEさんがメイクをして下さって。その時にあっこさんと連絡を取って、あっこさんがいくつかアイディアを出してくれて、それで「こんくらいやったほうがいいんじゃない?」とか、そういう風にあっこさんとKOSEの方の3人で考えました。
FS"Riverdance" 振付:宮本賢二
リバーダンスは足の動きで表現をしたりとか⋯『リバーダンス』の名古屋公演を実際観に行った時にすごい迫力があって、やっぱりそういう「迫力」を氷の上でも自分が出せるようにしたいと思うし、自分が大好きな曲なので「この曲好きだ」っていうのを出して、思いっ切り演技したいなっていう風に思います。
——コレオシークエンスで、(リバーダンスのステップダンスのように)トゥステップをタタタタッと連続でやるシーンが見どころのひとつですね。
しかも最後らへんなので⋯ 今日はちょっと転倒してしまったのでスピードがあんまり出なかったんですけど、ほんとはもっとスピードを出してからトゥステップをやるっていう風に賢二先生に言われてて、転ばないか心配なところもあるし、すごい結構きつかったりするんですけど、でも「最後の最後にあれやったら、きっと盛り上がるかなあ」って賢二先生も言ってくれて。そういう風に心がけて、やろうって思います。
——ショーでも今シーズンのプログラムを披露されていましたが、ショーと試合とでは違いますか。
アイスショーでは暗いところで少しリンクも小さめでやるので。アイスショーはアイスショーですごく楽しいんですけど、やっぱり試合になると、スピードとかももっと出さないといけないっていう風に思うし、リンクが大きいのでその分大きく使おうとか思ったりするので。全然違うのですけど、試合もアイスショーもすごく楽しいです。
——オフシーズンに重点的に練習したところはありますか。
少し腰の怪我があったので、ジャンプの練習をたくさん出来なくて、その分スケーティングとかエッジワークとかそういう地道なところ、基礎の基礎のところとかを多めにやってたかな、という風に思います。
——昨シーズンのエキシビション"Thriller"(振付:本郷理華)は話題になりましたね!
エキシビで新しいの作りたいって思ってたんですけど、ずうっと時間がなくて、ショート・フリー作るのに精一杯で。でも年末の全日本の後にエキシビが必要だと思ったので、短時間で自分で作れるような⋯って、マイケル・ジャクソンのPVとかを中学校の友達とかと見てたので、ある程度分かるからそれにしようと。メイクはその全日本の時にやっぱりKOSEさんが(メダリストオンアイスを)担当されていたので、「スリラーをやります」って言ったら「じゃあゾンビメイクだね!」って言われて(笑)
チーム長久保特集
——本郷選手は宮城県出身で、練習するために名古屋に移って来られましたが、地元の練習と邦和(邦和スケートクラブ)の練習は違いますか。
今の仙台の練習状況は分かんないんですけど、自分がいた時の練習よりも、名古屋での練習はすごく練習時間も取れて環境が整ってるし、今は中京大学に進学して大学にもリンクがあるので、学校行って練習してっていう風に、「いつでも練習出来るんじゃないか」っていうぐらいに環境が整ってる状況です。
——今大会前に邦和のチームで合宿を行われていましたね。
すごくハードな合宿で、途中足が重くなってフラフラになって、「ヤバぁい⋯」「どうしよ」って思った時もあったんですけど(笑) でもその合宿でつらい時にジャンプの練習とかをやって、その成果が少し⋯ジャンプの感覚も戻ってきたと思うし。練習ではプログラムに入るとミスが目立ってたんですけど、今回の試合でミスを抑えて出来たのは、やっぱり合宿でたくさん、足がフラフラになるぐらいまでやったからじゃないかなって、今は感じています。
——長久保先生の御指導で、心に残っているものや心がけようと思っていることはありますか。
試合の時に言われて心に残っているのは⋯他の注意とかもたくさんあるんですけど、世界選手権で少し調子が悪いというか力が入り過ぎてしまっていた時に、ショートが終わってフリーの前日、長久保先生が自分に「失敗を恐れずに。出来る時はどんなことをやっても出来るし、出来ない時はどんなことをしても出来ないんだから、思い切ってやりなさい」って言われて、そこで少し自分の中で吹っ切れて、ちゃんと良い演技が出来るようになったかなって思います。
► 今シーズンの目標
あと2か月でグランプリシリーズやチャレンジャーシリーズとかが始まるので、そこで表彰台に乗りたいっていうのがひとつの目標です。(グランプリ)ファイナルも、去年出て「また出たいなあ」っていう風に思ったので、ファイナルを目指せるようにグランプリシリーズでしっかり結果を残したいです。全日本でも良い演技をして、また世界選手権と四大陸に出たいっていう風に思います。
► 今大会を振り返って
初めてショートもフリーも両方ミスなく終えられたので、すごい良い試合になったなと思います。シーズンオフ中も、とにかくジャンプの失敗をしないということと、表現力を集中的にやってきたので、その成果がジュニアグランプリ前のこの大会でしっかり出せました。次に繋げられる良い結果になったかなと思います。
► 15-16シーズン|プログラム自己紹介
SP"Red Violin" 振付:鈴木明子
振付して頂いたのが(初めてのタッグとなる)鈴木明子さんなので、作った時よりはすごい良くなったんですけど、まだあっこさんがやってくれるようには曲を表現し切れてない部分があるので、ジュニアグランプリまでにしっかり仕上げられるようにしたいと思います。
——エレメンツ間の繋ぎが濃くなっていますね。
演技構成点の部分でもトランジション(TR)という技と技の繋ぎの点数のところだけがいつも低かったり、ジャンプの構えが長いっていうのが癖で。飛ぶ前が長くて、ステップからのジャンプっていうのが苦手だったんで、それがトランジションの低さに繋がってたのかなと思います。今シーズンはジャンプの前の繋ぎを多くしたりだとか、フリーも2年目なんですけど繋ぎを付け足したりだとかは、すごいやってきました。
FS"Romeo and Juliet" 振付:川梅みほ
先シーズンより、どっちかって言うとジャンプより表現力を中心にやってきたので、それが下の演技構成点に繋がるように、ジュニアグランプリまで残り1週間ぐらいしかないんですけど、それまでに仕上げられたらいいなと思います。
——構成はアクセルトウ(2A+3T)が後半に2つ入っていて、これはやはり「勝ちに行く」ためのものですか。
自分で出来そうな構成を考えて、全部基礎点を計算して。スケートノートをつけてるんですけど、それに大体自分が出来そうな構成を何パターンか書き出して基礎点を調べて計算して、どれが一番高いかなってやった時に、やっぱり「後半にアクセルトウを入れる」というのが基礎点で一番高かったので、今シーズンはとにかく点を獲りたいっていうことで、構成を変更しました。
——ショートの衣装は、背中が開いていてカッコイイですね。どのように依頼されましたか。
曲が結構大人っぽいので。衣装はいつも同じ方にお願いしていて、先シーズンのショートも結構背中が開いた衣装だったんですけど、その評判が良かったので、「背中はちょっと開けてほしい」っていうのは言いました。
——フリーの衣装は、去年はピンクで初々しい感じが印象的だったんですけど、今回のグリーンの色は御自身の希望でしょうか。
色は、最初デザインした時は白だったんですけど、白だとリンクの氷も白いので、あんまり映えないかなっていうことで、衣装の方が何個かデザインして下さってて、その中で⋯基本細かい要望とかはお母さんが「ここをこうしてほしい」だとかは言ってくれるんですけど⋯⋯お母さんが、ほぼやってくれます(笑) 今は離れて暮らしているので、直接会うのは年に1、2回くらいなんですけど、(打ち合せは)電話で。
——お母様、すごくセンスが良いんですね!
はい、お母さんセンス良いです(笑)
——オフシーズンに重点的に練習したところはありますか。
やっぱり先シーズン、練習ではジャンプが成功していても、曲で失敗してしまったり本番でミスが出たりということがすごい自分の弱点だったので、まずは「曲の中でミスしない」っていうことと、今シーズンはまだジュニアで行くんですけど、来シーズンは出来たらシニアで行きたいなって思っていて、シニアはジャンプだけではなく表現力の部分も大事になってくると思うので、「表現力」の部分をすごい重点的にやってきました。
——THE ICEでは、他の出演者の演技をどのように感じられましたか。
ショーと試合って全然違って、試合はジャンプが大事になってくるんですけど、ショーはどれだけ観客の人たちを惹きつけられるかっていうのが、やっぱり自分とトップ選手の違いかなってすごい実感して、経験になりました。ほとんど海外の選手だったんですけど、一番惹きつけてるなーって思ったのが、ソトニコワ選手。練習も一緒にしてたんですけど、練習中から見入ってしまうような「惹きつける力」っていうのがすごい強かったので、やっぱりそこが自分とトップ選手との大きな違いかなと思います。
——「ここは自分の武器」というところをお教え下さい。
やっぱりジャンプ飛べたら「質の良いジャンプが跳べる」というのが自分の強みなので、それがしっかり本番で決まるようにすることが今の課題です。
——ジュニア強化合宿でトリプルアクセル(3A)を練習されていましたね。
この直前の(邦和)青森合宿では試合直前ということもあって3Aの練習はしなかったんですけど、(連盟)ジュニア強化合宿では何回か3Aを練習していて、先シーズンよりは良い手応えがあるかなって思うので、まだまだ曲に入れられる状態ではないんですけど、日々決めた回数の練習をしっかりこなしていけるようにしたいです。
チーム長久保特集
——新田谷選手は兵庫県出身で、練習するために名古屋に移って来られましたが、地元の練習と邦和(邦和スケートクラブ)の練習は違いますか。
一番違うのは練習量が大幅に違って、1日何時間も練習したりということが兵庫県に住んでる時はなかったので、しんどいんですけど、やっぱりその練習量が今シーズンの良い結果に繋がってきてるかなと思います。
——今大会前の邦和合宿はいかがでしたか。
すごいきつかったんですけど、そのきつい練習を越えてこういう良い結果に繋がったと思うので、良い練習が出来たかなと思います。
——長久保先生の御指導で、心に残っているものや心がけていることはありますか。
ちょっと前に言われたことなんですけど、その試合は長久保先生が来られてなくて、ショートプログラムが良くなく終わって「明日のフリー頑張ります」とメールした時に、「逃げないで戦え」っていう風にメールして下さったのがすごい印象的でした。「ほんとにジャンプはすごい良いもの持ってるから、あとは精神面の問題が大きい」って言われたので、今シーズン、そういう精神面もちょっとは成長したかなと思います。
► 今シーズンの目標
先シーズンは出られなかった、ジュニアグランプリファイナルと世界ジュニアに出場することです。► 今大会を振り返って
ショートは3Aがすごく綺麗にはまったんですけど、その後のトリプルジャンプはいつも不安なく出来ているところ、3ルッツ+3トゥループの3ルッツで失敗してしまったので。自分ではそのつもりはなかったんですけど少し油断があったのかなと思います。
フリーは初めて試合で四回転に挑戦しました。ここまで順調に、練習でも絶好調で来られたんですけど、本番では少し慎重に行ってしまって入らなかったです。
でもまだシーズン初戦なので、次のジュニアグランプリまでにはしっかり、今回見つかった課題を少しでも克服出来るようにやっていきたいと思います。
► 15-16シーズン|プログラム自己紹介
(曲選びは)大体いつもは先生にお任せしているんですけど、今シーズンは自分で決めています。
SP"Poeta" 振付:宮本賢二
ショートはポエタの音楽自体がカッコイイですし、自分にとってはイメチェンって感じです。(ジュニア強化合宿でのステファン・ランビエールさんの指導は)僕はメリハリのある表現が少し苦手なので、流れるような踊りもいいんですけど、「フラメンコなのでひとつひとつの動作を留めるという部分を意識して」と。そこを重点的にやりました。
——ランビエールさんのポエタは御覧になりましたか。
動画で何回も見ました。やはり一言で言うと「カッコイイ」ですし、しかもランビエール選手はフリーでやっていて、最後まですごくメリハリのあるプログラムだなと思いました。
FS"Piano Concerto No. 1 (by Tchaikovsky)" 振付:宮本賢二
フリーはコフトゥン選手が滑っていたのを見て、すごく自分に合うなと思いました。先シーズンは少しジャンプのほうに気を配り過ぎていた部分があったので、今シーズンは表現の部分にも気を配れるようにしていって、もちろんジャンプも先シーズンよりレベルが上がったので、全ての面においてレベルアップ出来ればいいかなと思います。
——衣装はどのように作られていますか。
衣装屋さんの方に曲を伝えると、曲調に合った絵を5枚ぐらい描いて下さって、そこから母と僕で選んで決めて、先生にデザインを送って先生の許可が出たら制作になります。
(ストーンは)練習ではすごく邪魔だと思うんですけど、試合では気になりません。
——四回転の現在の調子はどうですか。
ほんっとにここ最近は、ほとんど「回れば立てる」っていう感じに持っていけてて、曲でもすごく入っています。3Aは後半に入っていて少し失敗もするんですけど、四回転は冒頭ですごく集中しやすいので、四回転は曲でも入っていたんです。でも今日は少し慎重に行き過ぎたかなあ、と。
——オフシーズンの取り組みについてお教え下さい。
ジュニアグランプリの1戦目がコロラドで、すごく標高の高い場所なので、とにかく体力をつけることを意識してやってきました。
チーム長久保特集
——山本選手は大阪府出身で、練習するために名古屋に移って来られましたが、地元の練習と邦和(邦和スケートクラブ)の練習は違いますか。
大阪にいた頃よりも練習時間も練習内容も全て「濃い」ので。練習だけじゃなくてウォーミングアップからすごくキツイので、それを日々やっていることがメンタルの面でも少しずつ強化されているんじゃないかなと思います。
——今大会前の邦和合宿もハードだったと伺いました。
1日6時間の氷上練習で。僕は体力がついてきたのか分からないですけど、大分頑張れるようにはなってきました。
——長久保先生の御指導で、心に残っているものや心がけていることはありますか。
最近だと、3Aだったり四回転の練習で言われるんですけど、「飛ぶ前に滑る」。慌てちゃったり回ろうとすると飛び急いでしまうので、そこは慎重に「滑る」という。そこをよく注意されます。
► 今シーズンの目標
世界ジュニアで金メダルを取ることです。でも、そこだけにピークを持ってくるんじゃなくて、目の前の試合で結果を出していかないと世界ジュニアでも結果を出せないので、ひとつひとつの試合を大切にやっていきたいです。
☞ 2015年サマーカップ 白岩優奈・木原万莉子・上野沙耶・佐藤未生・友野一希・山隈太一郎・中村優・川原星・吉野晃平選手インタビュー