Pigeon Post - SAKIKO USAMI 宇佐見咲子: projection, interview, text|MIWA EGUCHI 江口美和: projection|AIKO SHIMAZU 島津愛子: projection, text, edit, design
posted on January 26, 2016
関西大学で指導されている澤田亜紀さんに、全日本や国内試合の総評、選手紹介、シーズン後半や今後に向けてのお話を伺いました。#1の今回は引退生と復帰された山田耕新選手、そしてコーチング3シーズン目に入られた亜紀さんご自身についてお送りします。
AS: 澤田亜紀コーチ
PP: インタビュー/テキスト Pigeon Post 宇佐見咲子
【磯崎大介選手】全日本選手権15位・同志社大学4年
PP: 惜しまれながら、今季で引退されますね。
AS: 昨季までは自分自身で作ったプログラムだったんですけど、今季は違いますよね。「音」も、すっごく独特で。「さあこれ表現して」と言ったら皆が「難しい!」というものもきちっと表現出来ているんですよね。
PP: リズムの取り方が凄いですよね。スピンにもリズムを出しています。
AS: で、それに加えてスケーティングが。爪先まで伸びて綺麗なので。
PP: 前から綺麗でしたけど、今季、すっごくその伸びを感じます。
AS: 全日本ではジャンプがちょっと決まらなかったのが勿体なかったんですけど。
PP: SPで、得意のトリプルループ(※磯崎選手はとても高くて綺麗なトリプルループをお持ちです)を失敗されて⋯。
AS: シングルジャンプしか跳んではいけない試合がローカルであったりするんですけど、是非そういう大会で、「魅せる」ことで頑張ってほしいなと願ってるんです。
PP: 近畿ブロックのSP、コンビネーションが入らなくても全然関係なく感動しました。全日本のFSは、男子の中で唯一スピンとステップでオールレベル4を取られていて。演技の最後に、氷にキスをされて感極まっていらっしゃいました。
AS: そうですね。スピンって、レベル4取るのってわりと簡単なんですよ。と言うのは、「これをやれば取れる」という要件があるので。それを満たして回転数(1つのディフィカルトポジションで2回転以上)さえきっちりすれば。でもステップは、上半身を使いながらエッジワークも正しく入れないといけなくて⋯
PP: エッジワークから連動する上半身の動き、とか難しいことが評価の対象だったり⋯
AS: はい。そして、結構これは⋯採点する側の目にもよっちゃう部分は少なからずあるんですけど⋯皆さんが同じものさしを持っているわけではないので。そこで、全員に「レベル4だ」と言ってもらえるのは素晴らしい。ステップしながらスピードを出すって難しいんです。巧くないと、ステップを踏んでいるとスピードが落ちていくんですよ。でもどんどん押せていて、かつエッジの傾きとかが凄かったなぁと思います。
PP: 現在就職活動をされていますが、今後も「振付をしてみたい」とのことで凄く喜んでいます。
AS: そうですね⋯あの、吉田行宏くんって分かりますか?
PP: 通称「ゆっち」さんですね。
AS: そう、ゆっち(笑) ゆっちが引退の時に、大西先生チームの後輩の女の子の振付をしたことがあるんです。そういう感じで、仕事の合間に出来なくはないような⋯、平日仕事して、土日ちょっとリンクへ行って振付とか⋯出来なくはないと思うので⋯!
PP: 素敵な2足のわらじですね。スケート界に、どんな形でもいいので残って頂きたいと思います。
AS: (頷きながら)是非。
【服部瑛貴選手】全日本選手権17位・法政大学4年 冬季国体出場
PP: 東日本覇者の⋯ハンサムで、小粋なプログラムが凄く巧みな選手ですよね。お洒落なプログラムが。
AS: 私、瑛貴くんの衣装も好きで。毎年凝っていて。背も高くて見栄えもして。
PP: 甘いマスクで(笑)
AS: (笑)
PP: 体幹がしっかりして、スピンとかにも⋯身体に芯がしっかり通った演技をされるなぁと思いました。
AS: 昨季のイメージより凄く良くなっているので、もう、最後に向けてフィジカル面でも色々改善したんだろうなと思います。あとは気持ちもとても強く持てたんじゃないかなと思います。
PP: 彼の進路はお伺い出来ますか?
AS: 某有名チョコレート屋さんです。
PP: あらっ!お似合いですね。おめでとうございます⋯!
AS: 「言ってもいい?」って聞いたら、「いいよ~」って言ってくれました(笑) 就職活動もしながらだったと思うので、今季凄く頑張ったんじゃないかなぁと思います。
PP: SP後はキス&クライで五郎丸選手ポーズも出て楽しそうだったんですけど、やっぱりFS後は感極まっていらしたみたいで⋯。東の選手に詳しいPPスタッフ(江口美和)曰く「数分の中にひとつの物語を見せるという点では、強化選手を含めてもトップクラスの力を持っていた選手だと思います」と。
AS: なるほど、そうですよね。
PP: 冬季国体は素晴らしい演技で締め括って頂きたいですね。
AS: それもですけど、最後の試合だと思うので、楽しんで滑ってほしいなと思っています。
【山田耕新選手】全日本選手権20位・SMBC
PP: 2足のわらじの話が出ましたところで。皆さん大喜びの現役復帰だったんですけど。
AS: たまに「(冬季)国体」で戻る、とかはあるんですけど。私もやりました。でも「全日本」復帰なので。
PP: 西日本選手権のFS『のだめカンタービレ(序曲1812年)』を観たんですけど、もう、復帰をされたからではなく演技そのものに「会場総スタンディングオベーション」だったんですよ。お客さんをオーケストラに見立てて盛り上げていくアイデアも凄く斬新で。
AS: 『のだめカンタービレ』は11-12シーズンのプログラムだったんですよ。
PP: そうでしたか!素晴らしかったですね⋯西日本選手権、MVP級の活躍だったと思います!あの沸き方は凄かったですね。
AS: その時まではまだ福岡のパピオクラブ所属だったんですけど、全日本からSMBC(三井住友銀行)さんになっていて。会社総出で応援されているんだなと思って。
PP: 全日本の演技後のインタビューでは「2足のわらじは大変だが、2倍苦労する分2倍成長出来る」という言葉を残されていました。素晴らしいなと、私たちも社会に出て、「忙しいから出来ない」とかじゃなくて、学ぶところがあるなぁと思いました。
AS: 確かにそうですね。彼、仕事の帰りに、スーツでここ(関大アイスアリーナ)へ来たりしているんですよ。「おっ、今日出勤?」とか言ったりして(笑)
PP: 凄いですね⋯⋯ストイックというか、楽しまれてるというか、人生を。
AS: 確かに(頷く)。
【野添紘介選手】全日本選手権22位・明治大学4年
AS: 通称「のすけ」くんと言います。
PP: はい(笑)
AS: 「ゆっち」ばりの通称です(笑) 今、「野添紘介選手」でピンと来なかったです(笑)
PP: (笑) インカレの演技はSP・FSほぼノーミスで揃え、競技人生でも最高のものだったのではないかと。
AS: まず、今年はトリプルアクセルが凄く堅くなっていました。元々福岡に拠点を置いていて、大学が決まって上京して一人暮らしだったと思うんですけど、きっと努力して来たんだろうなぁと思います。今後の進路としては、聞いてる限りでは就職のはずです。
【木村真人選手】全日本選手権23位・八戸GOLDフィギュアスケートクラブ
PP: 彼も今季で引退されます。
AS: 今季、東の4回生が凄く強くて、気持ちが。彼もその一人です。SPで3サルコウ+2ループを跳んでいたんですよ。大方の選手がコンビネーションの後ろでは2トゥループとか、トゥループ系なんですけど。FSも2トゥループのコンビネーションが1本もチョイスされてなかったんですよ。これは彼、苦手なのかな?と私は思うんですけど(笑)
PP: 凄い、と思ったら逆に苦手なのかも(笑)
AS: (笑) でも、それ以外のコンビネーションを全部やっていました。トゥループなしできちっと3回入れてたので、凄く計算してきたんだなぁと思いました。それから、スピンで綺麗にレベルを取りに行っていましたね。シットスピンがとても速いんですよ。スピンでしっかりレベルを取ると、練習して来たんだなと思います。FSを滑りたい、最後の全日本に出たいという思いで、ここまで来たんだなと。
【渡部幸裕選手】全日本選手権30位・法政大学4年
PP: 競技人生最後のシーズンにして全日本初出場、お母様がコーチの選手です。
AS: 渡部くんは、ルッツが上手なのか、全日本の前に「ワタベルッツ」という単語だけは知っていました(笑) 実際演技を観られたのはインカレの時だったのですが、ルッツ、素晴らしかったです!演技もショートとフリーを揃えて、会場はスタンディングオベーションでした。引退生の中で唯一話す機会が無かった選手なので、それだけが残念なのですが⋯。
PP: 今後の進路は、お母様の渡部泉先生と共に新潟でコーチングをされるとのことで、これからの試合で若手コーチ談義の機会がありますように!
【西野友毬選手】全日本選手権18位・明治大学4年
AS: 私、友毬ちゃんのこと絶対話したいんです!
PP: そうです、西野選手!お願いします!
AS: 友毬ちゃんは、私がジュニアで参加していた野辺山合宿で、ノービスからの推薦選手だったんですよ。で、ずーっと見ていて。
PP: ジュニアグランプリでも活躍されました。
AS: そうです。色々大変な時期もあったみたいですけど乗り越えて。そして、ようやく全日本に帰って来て。最後の全日本、FS1番滑走でノーミスをしたんですね。
PP: 感動しました。
AS: 本人も泣いていて。本人はもう、「国体には出ずにインカレで引退する」って決めていて、満足そうな顔はしてました。
PP: まさに、悔いを残さない演技でしたよね。リンクイン時に友毬選手が樋口コーチに「楽しんで来ます」と仰って、樋口先生が友毬選手に「エレガントに、美しく滑るんですよ」と返されてて。そのやり取りに、長い師弟関係の絆を感じてじーんと来ました。素晴らしいFSの演技後はお二人とも感極まって一緒に涙していらっしゃって⋯。素敵でした。
AS: 東の枠が少ないので、全日本に出るのは凄く苦労するんですよね。ここまで辿り着くだけでも凄いことなんですけど、そこでノーミスですからね⋯。
PP: SPで2回転になってしまった1つだけですから。
AS: FS滑ることが出来て本当に良かったです。
PP: 会場で観た人、TVで見た人、皆さんあのFSは忘れられない演技になったと思います。
AS: ちなみに彼女は、某スポーツクラブに就職することになりました。本人が話していいと。
PP: おめでとうございます!また何かの形でスケートに関わって頂きたいなと思ってしまいますけどね。
AS: 私がコナミスポーツクラブ([株]コナミスポーツ&ライフ)に就職していたので、「あとでまた色々聞かせて」って(笑) めっちゃ聞いてきました(笑) スケート界への関わり方も色々ありますしね。
【澤田亜紀先生】関西大学アイススケート部コーチ3シーズン目
PP: 「澤田亜紀コーチ」についてもお伺いしても宜しいですか?
AS: おおっ(笑)、ハイ(笑)
PP: 「フィギュアスケートのコーチ」の役割について、選手時代に思われていたことからイメージは変わりましたか?
AS: そうですね。例えば、選手の時は、バッジテストを受けるに当たっても、先生が「○年生までに○級取ろうね」とか、大体目安を示して下さってたんですけども、こちら側の立場になってから全員の、30人いれば30人の目標設定をしなければいけないので、なんか⋯思ってたよりも仕事が膨大で⋯(笑)
PP: そうですよね(笑) 各選手の力量に応じて考えていかないといけないですし。
AS: 思ってたのと違うギャップにビックリしました。試合の時も、凄い、長い⋯(笑)
PP: (笑)
AS: 例えば、近畿ブロックとかになると、ジュニアの選手が何人かいて、シニアもいて、ノービスもいて。
PP: 時間空きますもんねぇ。
AS: そうなんです。出場する選手がたくさんいるのはありがたいことなのですが⋯。
PP: ノービスの選手の試合が夜の10時とか。もう、朝から晩まで。
AS: そう(笑) (滑走順抽選の際)「滑走順⋯(祈る仕草)!」みたいな(笑)
PP: 出来るだけ近い滑走順に(笑) コンパクトに(笑)
AS: で、1グループに3人とか入っちゃうと、コンパクトすぎて、今度は目が追いつかない(笑)
PP: (笑) 「指導する立場」からの視点で、フィギュアスケートに新たな発見はありましたか?
AS: 新たな発見⋯⋯(じっくり考えて)、いえ、特には。ずっとフィギュアスケートをやって来て、私が高校時代に採点法が変わったんです。そこで自分が点を取るために色々勉強したことが今役立っているので、コーチになったからと言って発見したことは特にはないです。
PP: 長光歌子コーチのアシスタントをなさって、どんな毎日を過ごされていますか?
AS: 結構ものの考え方が変わった⋯じゃないですけど、色んな勉強になります。例えば、反抗期の子とかもいるので、どう接したらいいのか、とか。
PP: 思春期真っ只中の子ばかりですもんね。
AS: (小声で)そうなんです⋯(笑)
PP: 相談に乗ってあげたりとか。
AS: それとか、頭ごなしに怒っても、プイッと反抗されたら意味がないので、どうしたらいいかとか。あとは、ちっちゃい子のムチの打ち方⋯なんだろう、甘すぎず、時には叱る⋯。
PP: 飴とムチを使い分けて(笑)
AS: そうそうそうそう(笑) 私、飴ちゃんばっかりなので(笑)
PP: お優しそうですもんね(笑)
AS: なので、ほんと、ムチを使いこなさないといけないんですけど(笑)
PP: ちっちゃい選手たちになつかれていらっしゃる感じです。
AS: あー、結構来ます(笑) 「亜紀せんせ~~!」って、この辺にしがみ付かれて私コケそうになって、「コラッ!」っとか言って(笑)
PP: 関西大学のカラーとかって、あると思われますか?表現力豊かな選手が凄く多いですよね。
AS: そうですね、凄く環境に恵まれてるので。関大の7級以上が滑れる貸切(練習)があるんですけど、高校生以下でも関大系列の学生で日本スケート連盟の強化選手だったら一緒に滑れるんです。トップレベルの選手ばかりを集めて練習が出来るので、皆凄く刺激になってるんじゃないかなと思います。
あとは、関大からカップル競技に転向する選手が多くて。
PP: やっぱり、技術がしっかりしているからですよね。村元哉中選手⋯ ☞ 村元哉中選手 2015年7月のインタビュー (on J SPORTS)
AS: 平井絵巳ちゃんとか。今季は市橋翔哉君と三浦璃来ちゃんと。 ☞ 市橋翔哉選手 2015年9月のインタビュー (on J SPORTS)
PP: 凄いことですよね。
AS: 関大⋯、何かあるんですかね(笑)?
PP: (笑) 村元選手、本当にアイスダンス似合ってらして。転向の決断素晴らしかったです。
AS: うんうん、そうですね。
PP: 今季のSPのルール改正なども恐ろしいですよね、「2回転は無得点」って⋯。
AS: そう~。そこで臨機応変に後ろにトリプルとか付けられれば、「2-3以上(のコンビネーション)」で得点が入るので行けるんですけど、そこで皆、やっぱり焦るんですよね⋯(笑) 「練習やってね」とは言うんですけど、なかなか難しいですね(笑) 試合でそうなって、自分で壁にぶち当たった時に気付くんだと思います。
PP: 引退シーズンの選手にコーチとして願うことは何ですか?
AS: やっぱり、悔いなく終わってほしいなと思います。大学4回生で引退出来れば一番良いですけど、中には途中で辞めなければならない選手もいると思うので、悔いなく終わってくれらなぁ⋯と、そう思っています。たとえ失敗しても、4回転チャレンジしたかったなぁ⋯というのではなくて、チャレンジし切って終えられたらと。
PP: チャレンジして悔いが残らないことを選手には願う、という亜紀コーチのお話がありましたが、宇野昌磨選手。挑戦したことで、失敗しても清々しい表情で印象的でした。
AS: うんうんうん(頷く)。
PP: 「挑戦する方を選んだので、逃げずに攻められたことが唯一の救いです」と仰ってて。選手自身のためにも、挑戦する姿勢って大事なんだなと改めて思いました。
AS: 本人が一番やりたいことをやらせてあげたいなと思うので。もちろん、やらせすぎて点数残らないこともある⋯(笑)、そんな時は止めますけど(笑)
PP: 手助けをしてあげる、という感じですか?
AS: やりたい、ということを聞きつつ。ブロック大会は次の試合への通過とかがあるのでバランス取って守りに入ったり、あまり挑戦させてあげられない部分があるんですけど、何もかからない試合で――オール大阪とか、大きな試合の出場権などがかかっていない試合では、「チャレンジしたい」という選手の意志を尊重します。
PP: 「自分のスタイル」を持つ選手もいらっしゃると思うんですけど、そのスタイルを伸ばしてあげるか、新しいことを身に付けさせたいか、悩まれることもありますか?
AS: あー⋯⋯そうですね。でも、自分のスタイルを持ってる選手は、自ずと良い面が伸びてくれるので、違うことを敢えて教えたりしますね。まあ、どうしても、練習をやる選手とやらない選手は⋯いますよね(笑)
PP: 選手によりますもんね、ある時点で変わったりもあると思うんですけど。急激に真面目になったり。
AS: そうです、そうです(笑) 同じことを全員に言ってるつもりなんですけど、響く選手と響かない選手がいるので⋯(笑)
PP: 選手によって教え方も工夫しないと。
AS: そうなんです(笑)
PP: フィギュアスケートって、横の繋がりが深いですよね。選手もコーチも。ライバルと言うよりも、戦友的な感じ⋯。
AS: 競技人口が凄く少ないので。今でこそ増えましたけど、私が高校生の時は3000人って言われてて。トリノ五輪の前くらいですね。ちっちゃい子から学生まで合わせて3000人くらいの登録者がいる、となってて。「甲子園球場に入る数より全然少ないんだよ」って連盟の方が例えられていました。
PP: そうですよね⋯もう、フィギュアスケートって、始めたらトップ目指さないといけないみたいなところありますもんね。
AS: はい(笑) 小学校の時に野辺山合宿で同い年のライバルたちと出会い、全国中学生大会で再会はするんですけど、だんだん人数が減ってるんですよ、やっぱり。
PP: 続けて行くのが大変な競技ですもんね⋯。
AS: そして、インターハイ(高校)で再会した時にはまた減っているんですよ⋯。インカレ(大学)になるともう、全員名前挙げられるくらいの人数になっていて。それで、だんだん絆が深くなっていくんです。
PP: とある大会を観に行った時のことなんですけど、自分の演技に納得出来なかった男子選手がいました。涙に暮れる中それでもリンクサイドに残って、次の選手をずっと応援してるんですよ。涙拭いながら、ずっと声援送ってて⋯もう、感動してしまって。なんという絆なんだろうと思って。
AS: もちろん勝った負けたっていう成績は残るんですけど、自分の演技が出来たか出来なかったかって自己評価するので。他のスポーツから比べたら、相手を応援するって、不思議な競技だなって思うんですけど。
PP: 個人競技で、自分さえ良ければそれでいいというところがあるかなと思ったらそうじゃなくて、声を掛けますし⋯「頑張れよー」っていう感じで。
AS: 特に(選手の少ない)男の子はそういう絆が強いんだと思います。
PP: それではズバリ、「澤田亜紀コーチの強み」とは何ですか?
AS: えーっ、強み?⋯⋯いつでもプラス思考(笑)!
PP: はい(笑)
AS: 例えば全パンク(ジャンプが回転しない)して帰って来た選手を怒ったって、失敗は一番本人が分かってるんです。悔しいのは本人なので。「こういうことを次の成功に繋げようね」みたいに。何か探します、いつも。
PP: 素敵な選手を是非たくさん輩出なさって下さい。澤田亜紀コーチのご活躍も楽しみにしております!
AS: きゃー、ありがとうございます(笑顔)!
PP: 今回の亜紀先生の便りの最後に、冬季国体の見どころをお願いします。
AS: 全日本選手権などとは違ってチーム戦なので、都道府県ごとに競います。各カテゴリー2名ずつのチームで、片方の選手が良いだけでは上位に行けないんですよ。そんなチームとしての独特な戦い方が見どころですし、また、国体を最後に引退する選手の演技を見届けて頂けたらと願っています。
☞ #4 世界選手権男子代表選手 ~五輪への折り返し地点「ボストンワールド」でのピョンチャンに向けての確認事項~ (on J SPORTS)
☞ #4 世界選手権女子代表選手 ~五輪への折り返し地点「ボストンワールド」でのピョンチャンに向けての確認事項~ (on J SPORTS)
☞ エアフィギュアスケート*澤田亜紀先生のレッスン#1ジャンプ [Aki's Summer Course on Pigeon Post #1 Jumps] 2015年7月
☞ 2014年全日本選手権事前特集 澤田亜紀先生の全日本便りでは「(ルール変更により)スポーツファンにとってフィギュアスケートがもっとおもしろくなった点」と男子女子の出場選手について解説して頂きました。
☞ 澤田亜紀さん 2013年3月のインタビュー [Aki KEEPs CALM AND PUTs A SMILE ON]